慰安婦問題を糾弾する「日韓共同シンポジウム」の衝撃(東京開催)|松木國俊

慰安婦問題を糾弾する「日韓共同シンポジウム」の衝撃(東京開催)|松木國俊

日米韓の慰安婦問題研究者が東京に大集合。日本国の名誉と共に東アジアの安全保障にかかわる極めて重大なテーマ、慰安婦問題の完全解決に至る道筋を多角的に明らかにする!シンポジウムの模様を登壇者の一人である松木國俊氏が完全レポート、一挙大公開。これを読めば慰安婦の真実が全て分かる!


たった8ページにも及ばなかった私の論文が、驚くほど猛烈な反対運動を起こした。

この運動には二つのはっきりした起源があった。一つは米国大学で勉学している韓国の移民または二世、三世の学生や学者が大勢いた。母国と感じる韓国に対して強い愛国心を持っていることは理解できる。ただ韓国の政治や歴史については、親から習ったこと以外に無知のものが多いようである。移民であればどこでもそうであり、基本的には仕方がないと思う。

もう一つは米国の大学における日本専門家を自称する学者たちである。こっちの方は「仕方がない」では済まない。完全な「学術過誤」と言うべきものである。彼らは私の論文を撤回させようとし、私をハーバード大学に処罰させよとした。性奴隷説や強制連行説は彼らのイデオロギーにとって重要であるらしい。彼らがその説をあくまで主張し、他の学者の主張を検閲している事実は「学問的自由」に対する暴行である。

なぜこのような暴行がまかり通るのであろうか。それは米国の大学教授の思想動向を見れば明らかである。特に人文科学系の学科においては民主党を支持する左派教授が多く、例えばUCバークレーの歴史学科の場合、民主党支持者31人に対して、共和党支持者は一人、スタッフォードの歴史学科は22対0だ。米国で民主党支持の学者は極左が多く、学生たちは特定の思想を嫌って歴史学科を避ける傾向があり、米国で歴史学を専攻する学生は1%にも満たないのが現状である。

因みに、左派が支配する米国の大学で起きている問題を紹介する。歴史を巡っては米国の歴史を再構築する1619プロジェクトが進行している。このプロジェクトは米国に初めて奴隷が連れてこられた1619年を真のアメリカ合衆国の建国とみなし、アメリカ独立戦争を「奴隷制度維持のための戦争」であると規定している。ニューヨークタイムズ紙が2019年8月に掲載した特集記事がその始まりであり、これを契機にブラック・ライブズ・マター(BLM)運動が拡大した。この歴史観は全く史実に基づいていない「嘘」であるが、これを批判した歴史学会の会長だった学者は激しいバッシングを受けて二日間でその発言を撤回した。

政治がらみと思われる問題も多い。白人警官は黒人警官より多くの黒人を射殺している事実はないと主張したハーバードの教授は二年間給料不払いの処分を受けている。男女の性別は選択できるものではなく、生物学にもとづくものであると当たり前のことを言ったハーバードの女性講師はクビにされてしまった。

このような所謂政治的理由によって処分された学者は、この7年間で537人に上っている。

まさにスターリン時代の粛清や毛沢東の文化大革命のような現象が米国の大学で起きているのが実態である。私の論文もこのように左派が席巻する歴史学界から批判を受けたわけであるが、私を批判した学者は自己のイデオロギーに固執しているだけで、日本の文献をほとんど読んでおらず、本当のことは何もわかっていない。吉田清治の名前すら聞いたことがないというレベルである。これが米国における日本研究の実態なのだ。

ではこのような状況に対してどう対応すべきか。まず私のような米国の学者は米国内でどんどん英語の論文や文献を出すべきである。これは私の責任でもある。

そして人間として最も重要なことであるが、「真実しか言わない」「真実しか書かない」さらに「攻撃されても絶対に謝らない」ことである。

第二部 研究報告

基調講演に続いて、下記日米韓6名の研究者よりそれぞれの立場から慰安婦を巡る問題についての報告が行われた。

元延世大学教授 柳錫春氏

青山大学教授 福井義高氏

国史教科書研究所所長 金柄憲氏

落星台経済研究所委員 李宇衍氏

朝鮮近現代史研究所所長 松木國俊  

麗澤大学准教授 ジェーソン.M.モーガン氏

以下、各氏の報告の要点を記載する。

① 柳錫春氏「延世大講義 名誉棄損 刑事事件第二審の争点」

柳錫春氏

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