「嘘」で日本への恨みを植え付ける韓国の教科書
韓国の教科書には日本軍による慰安婦強制動員、性暴行、殺害など虚偽の事実が数多く収録されている。まず小学校の教科書から見てみよう。現在、韓国では小学校の社会科目として11種の検定教科書が発行されており、慰安婦に関連する代表的な記述例をここに挙げてみる。
・「日帝は侵略戦争を繰り広げ、多くの女性を強制的に捕え、性奴隷にした。日本軍の慰安婦女性たちは、戦争中に多くの苦痛と被害を受け、独立以降もまともに謝罪すら受けることができなかった」(未来N社 小学校社会5-2)
・「日本軍慰安婦―日本軍と日本政府によって戦場に強制的に動員され、性暴力と人権侵害を受けた女性」(Icecream Media 小学校社会5-2)
・「日本軍慰安婦とは何だろうか?―日本軍慰安婦とは、日本政府と日本軍によって戦場に強制的に動員され、持続的に性暴力と人権侵害を受けた女性をいう」(天才教科書 小学校社会5-2)
これらの記述は全て「嘘」である。幼い子供たちに歪曲捏造された歴史を教えているの
だ。
次に高等学校の教科書を見てみよう。現在、韓国史として9種類の検定教科書が出てい
る。こちらも慰安婦関連記述の代表例を挙げてみよう。
・「日帝が侵略戦争を遂行しながら犯した最も反人倫的な行為は、女性を戦争に強制動員したことだった」(リーベルスクール社)
・「日本軍は朝鮮を始め中国、東南アジアなどで数十万人の若い女性を日本軍慰安婦として強制的に連れて行き、性奴隷生活を強要した」(リーベルスクール社)
・「日本の官憲が関与する中、日本軍は数多くの女性を拉致したり誘拐したりして日本軍慰安婦として動員した。(リーベルスクール社)
・「1944年には女子挺身勤労令を公布し、12歳以上40歳未満の女性を後方の兵站支援人材として動員した。(注2)この時挺身隊という名前で強制徴発された人々の多くが日本軍「慰安婦」に連行された。日本軍慰安婦は劣悪な環境の中で人権蹂躙され病気や暴行で死んだりもした」(リーベルスクール社)
・「日帝は軍慰安所を設置し、敗戦まで韓国をはじめ植民地と占領地の女性たちを日本軍慰安婦に動員して惨たらしい生活を強要した」(東亜出版)
・「被害者たちは殴打や拷問、性暴力などで一生治癒しにくい苦痛の中で生きなければならず、一部は反人倫的犯罪を隠蔽しようとする日本軍に虐殺されたりもした」(東亜出版)
しかし、これらの教科書や慰安婦裁判判決文に収録されている慰安婦関連の話は全て虚偽なのだ。慰安婦問題は、日本が先にスタートし、韓国の正義連が元慰安婦の貧しい老婆たちを全面に出して国民を欺いた国際詐欺劇である。ところが信頼を最高の価値とすべき教科書と司法府が、詐欺師たちの嘘を歴史的事実であるかのように扱って国民を欺いているのだ。
このような不幸な現実をそのままにしておくことは出来ない。未来を担う、成長する世代に偽りを伝えることは出来ないからだ。韓国と日本の歴史真実勢力が力を合わせれば、十分に成し遂げられると確信する。私たちは一緒に戦って慰安婦詐欺師たちを必ず壊滅させよう。
(注1) 実際には当時悪徳紹介業者が女性を騙したり拉致して上海や満州に売り飛ばす事件が数多く発生し、日本の警察がこれを救出していたのが実態である。
(注2) 日本国内では1944年8月に十二歳から四十歳までの独身女性を対象とする「女 子挺身勤労令」が公布され、対象の女性が動員されて工場で働いた。但し朝鮮半島では終戦まで「女子挺身勤労令」は発動されていない。朝鮮半島で「挺身隊」として働いた女性約2000名は全て自ら志願したものであり、「必要な技能を保有する」と認められなければ採用されることはなかった。
④ 李宇衍氏「韓国メディアの慰安婦問題に関する報道動向:朴裕河事件とラムザイヤー事態を中心に」
李宇衍氏
慰安婦問題の動向を、主要マスコミの世宗大学教授朴裕河教授の著書『帝国の慰安婦』およびラムザイヤー教授の論文に関する報道を基に報告する。
朴裕河氏はその著書を巡って多くの報道機関からバッシングを受けた。マスコミは単に告訴され起訴されたという事実を伝えるだけでなく、非難を込めて彼女を冒涜するような内容で報道をしたのだ。
但し、朴裕河氏は自身がその立場をメディアで訴える機会も複数回あった。この点は慰安婦問題の真実を明らかにした他の研究者とは違っている。例えば2014年1月23日付けハンギョレ新聞に彼女はこのように寄稿している。
「明らかに朝鮮人慰安婦動員はいわゆる『軍人が引きずった物理的強制連行』ではなく『人身売買』の枠組みの中のことだった。事実、学会ではこれ以上『軍人が強制的に連れて行った』というような議論はしていない。日本の強制性とそれに伴う法的責任を立証したがる学者たちの議論は、移送の際に日本軍の船を利用したのだから日本の国家的責任だとか、騙されて連れてこられたのを知っていながら黙認したから犯罪だという程度の議論である」
さらに朴裕河氏の立場を支持する論評も結構多かった。例えば2015年12月8日付東亜日報は社説で「『帝国の慰安婦』に対する評価は学界と市民社会の議論に任せ、朴教授に対する司法処理は慎重に決めることが正し」と主張している。
2020年5月14日付東亜日報は挺対協(正義連)を批判するコラム「正義と記憶を独占できるか」で下記のように書いている。
「慰安婦被害者問題に関しては、誰も同団体(正義連)に異議申し立てが出来ないほど正義連は権力となった状態である。反日民族主義にフェミニズムで武装した左翼陣営に属しつつ、国定教科書のように正義と記憶を独占した状態だ」
韓国の知識人たちも朴裕河氏起訴反対声明を出しており、その中には「この本の主張に論争の余地がないわけではないが、慰安婦問題を取り扱う合理的方法は市民社会の多様な声が自由に表出され、競合するように許容することだ」という主張もある。
本裁判は2023年10月に韓国最高裁が「学問的主張は名誉棄損処罰対象にならない」として、高裁が朴裕河氏に下した有罪判決を破棄して高裁に差し戻した。2024年4月に差し戻し審で高裁が無罪判決を出したことで、最終的に同氏の無罪が確定した。これらの事実について朝鮮日報、韓国経済など大手メディアは「学問の自由を保護する理性的判決である」として好意的に報道している。
次にラムザイヤー論文を巡る報道について報告する。
韓国メディアはラムザイヤー論文を攻撃する勢力の主張と、彼らの撤回要求について詳細報道した。中国、北朝鮮、アルジャジーラの反応まで報道している。例えば東亜日報は2021年3月2日付で「北朝鮮『慰安婦歪曲』ラムザイヤー教授に『似非学者』非難」というタイトルの下に、北朝鮮が次のように反発していると伝えている。
「ラムザイヤー教授は米国で出生するやいなや日本に渡り、18歳まで暮らしながら日本戦犯企業である三菱の後援で学校に通い、今も三菱の後援を受けてハーバード大学教授の職を維持している。日本軍性奴隷犯罪は東西古今その類例がない最も醜悪な特大型反人倫的犯罪であり、韓国の市民団体を始め米国、日本、ドイツなどで論文撤回と謝罪を要求している」
ラムザイヤー教授に対する批判は慰安婦関連のみならず、下記のような過去の論文に対しても及んでいる。
「社会資本と日和見主義的リーダーシップの問題点:在日韓国人の事例」
「日本の社会追放者の政治と組織犯罪:民族補助金支給終了の効果」
またラムザイヤー教授が「慰安婦売春契約書がないことを告白した」(2021年2月26日SBS)という歪曲報道や「ラムザイヤー、韓国人教授に怒りに満ちた脅迫」(2021年5月5日SBS)という同氏への事実を捏造した人身攻撃もなされている。
さらに2021年4月6日付で韓国大手放送局のMBCは「右翼の口となったラムザイヤー・・日本極右『金づる』が後ろ盾」というタイトルで下記のように報道している。
「軍国主義を目指す『日本会議、そこで中枢的役割を担う「モラロジー財団」、その財団の支援を受ける『日本文明研究フォーラム』というつながりの先にラムザイヤーがある』
米国の学者らがラムザヤー氏を批判する論文については、韓国メディアは詳細に報道している。だがその反対の報道はほとんどない。延世大学や漢陽大学の教授が「ラムザイヤー批判は非生産的」という論文を米国のマスコミに寄稿し、『反日種族主義』の著者らがラムザイヤー氏擁護の声明を発表しているが、朝鮮日報がわずかに取り上げた程度である。
むしろ韓国メディアはこれらラムザイヤー論文の擁護者に対する批判の方を報道している。例えば2021年3月4日付ソウル経済新聞は「漢陽大学学生たち、ラムザイヤーを擁護した教授罷免運動」といった具合である。
事程左様にラムザイヤー教授に関する報道は無責任なものが多い。2021年2月17日付東亜日報は「ハーバード大学総長『慰安婦は売春』論文問題ない・・学問の自由」というタイトルでハーバード大学の対応を報じる記事を書いているが、その中で下記のように反日団体の対応を報じている。
「これ(問題ないと判断したこと)に対してバンク(注1)は『バーカウ総長はハーバード大教授の中で黒人奴隷制度を擁護する研究やドイツナチスをかばう論文を書けば果たして同じ返事が出来るだろうか』と問い詰め、『再び抗議書簡を発送した』と話した」
さらに、ラムザイヤー論文を掲載した学術誌が、その撤回を拒否したことを伝える報道も粗略そのものであり、各メディアの論調はおおかた下記の通りであった。
「当該論文を載せた学術誌が2年にわたり検証を行ったが、結局問題の論文を撤回しない決定をしたことに、再び非難が殺到している・・問題の論文著者ラムザイヤー氏は日本の右翼の間で英雄として通じている」
以上の通り、朴裕河氏とラムザイヤー氏に対する対応は韓国内でかなり違っている。その背景には、韓国内では慰安婦の実態についてメディアが取り上げておらず、左翼のプロパガンダばかりが浸透して元慰安婦は民族的被害の象徴と化しており、これを貶めることは大衆的怒りを引き起こすという事情がある。
朴裕河氏は元慰安婦ではなく挺対協(正義連)を攻撃し、慰安婦については「売春的強姦」「強姦的売春」というあいまいな表現に終始したのに対し、ラムザイヤー教授は慰安婦が売春婦であったという事実を明確にした。このため朴裕河氏には韓国内でも支持勢力が多くいたが、ラムザイヤー氏にはこれが少なかった。従って朴裕河氏には「学問の自由」が認められ、ラムザイヤー氏にはそれが認められないでいるのが韓国の現状である。
(注1) バンク(VANK)とは韓国内にある過激な反日組織Voluntary Agency Network of Koreaの略であり、1999年1月1日に朴起台団長により設立された。会員は中学、高校生を中心に10万人以上に達している。ジャパン・ディスカウント(日本引きずりおろし)運動を世界に向かって大々的に展開しており、2021年の東京オリンピックの際にガスマスクをした聖火ランナーのポスターを拡散したのもVANKである。