マドゥロ拘束を国際法の観点で検証
2026年1月11日の『サンデーモーニング』のトップニュースは米国によるベネズエラ大統領拘束に関する話題でした。
「地下からカネが湧いてくる」狙いは石油か ベネズエラ・マドゥロ大統領拘束の用意周到な舞台裏とトランプ政権の行く先とは【サンデーモーニング】 | TBS NEWS DIG
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2394373ベネズエラに電撃的な攻撃をしかけ、大統領を拘束したトランプ政権。用意周到に準備された作戦の裏側が見えてきました。ベネズエラ マドゥロ大統領(2025年11月)「狂った戦争にノー」支持者らを前に踊ってみせる…
膳場貴子氏:さて、年明け早々トランプ政権がベネズエラの大統領を連れ去るという耳を疑うようなニュース、世界に衝撃が走りました。
アナウンサー:1月3日の未明、ベネズエラに現れたのは150機を超えるアメリカ軍の爆撃機やドローン。首都・カラカス周辺を一斉に空爆しました。最初の攻撃で防空システムを破壊すると、低空飛行で飛来したのは、特殊部隊のヘリ。マドゥロ大統領の滞在先を急襲し、身柄を拘束すると、すぐさまニューヨークまで連行したのです。
作戦は、周到に準備されたものでした。(中略)
2025年8月には、CIAの特命チームがベネズエラに潜伏し、マドゥロ大統領が8か所ほどの拠点を転々としながら、身の安全を図る行動パターンを把握。現場では銃撃戦も起きましたが、マドゥロ氏の拘束までに要した時間は、わずか5分ほどだったとしています。一連の攻撃でアメリカ軍は7人の負傷にとどまりましたが、ベネズエラ側では民間人を含む100人が死亡。他国を攻撃して多数の死傷者を出し、国のトップを連れ去ったトランプ政権。国際法違反だとの非難も上がりますが、アメリカの法律に基づく、麻薬密輸の取り締まりだという理屈。
一方で、マドゥロ政権を転覆させたメリットについて、トランプ氏が強調するのは麻薬とは全く無関係の話。ベネズエラの石油利権を我がものにするというのです。(中略)
新たな一線を越えつつあるかに見えるトランプ政権。その行動はどこまでエスカレートするのでしょうか。
膳場貴子氏:トランプ政権はマドゥロ氏を大統領として認めず、麻薬犯罪組織の首謀者として訴追するというロジックなんですけど、それにしても「他国のトップを拘束して国外に連行するなんてことがまかり通るんだ」「これでいいのか」と世界中が本当に驚いたと思うのですが
元村有希子氏:そのとおりですね。一国のリーダーの野心がこれだけ世界を混乱させられるのかと。どんな政情であれ、一国の大統領を攻撃して拉致していいなんて法律はどこにもありませんよね。
というわけで、相変わらず元村氏は、「一国のリーダーの野心」という個人の憶測を根拠にして感情に訴えることでトランプ氏を非難し、「どんな政情であれ…法律はどこにもありませんよね」などと結論付けています。
ここで今回の米国の作戦について、国際法の観点から検証していきます。
トランプ政権は、国連憲章2条4項で禁じられている武力行使でベネズエラの主権を侵害しました。ただし、国連国際法委員会(ILC)が示す【違法性阻却事由 circumstances precluding wrongfulness】という一定の事由があるときには、違法性は問われない、あるいは責任が発生しません。
違法性阻却事由としては、相手国の行為(①同意・②自衛・③対抗措置)と外在的な事情(④不可抗力・⑤遭難・⑥緊急退避)があります。

