極めて不自然な死者数
中国当局が発表した死者数も極めて不自然だ。4月13日現在、中国国内で武漢ウイルスの合計死者数は3351人と、米国の8分の1に過ぎない。しかも、感染症が最初に拡散した武漢市は、1月の時点で医療体制が崩壊していた。中国メディアの報道ですら、その後のニューヨークより悲惨な状況を伝えていた。ニューヨークの死者約1万人に対し、武漢の死者が少ない理由はどこを探しても見当たらない。
武漢の死者数が過少報告されている客観的証拠
武漢の死者数は過少報告されているのではないか。実は、その客観的証拠はいくつもある。 たとえば、武漢市では3月23日から4月4日まで、遺族への遺骨の引き渡しが行われたが、この間、市内の計8つの葬儀場は毎日、約4000人分の遺骨を処理した、と中国メディアが伝えている。
単純計算で期間中、合計5万2000人分の遺骨が遺族に返されたことになるが、実際に返された遺骨はそのごく一部に過ぎない。武漢市が封鎖されている2カ月半の間、各地域の葬儀場から遺体を処理する応援チームが数多く武漢に派遣されており、彼らが処理した分は含まれていないのだ。一家全員が亡くなり、遺骨の引き取り手がないケースも多いという。
4月8日の封鎖解除後に武漢市に入った中国人記者の試算によれば、閉鎖当時、約900万人が残った武漢市で、2・5カ月間でウイルス以外の自然死亡者数は約1万人強、返された遺骨が5万2000人分なら、少なくとも約4万人が武漢ウイルスで死亡した計算になるという。武漢市だけで、中国当局が発表した3300人あまりの10倍をはるかに超えている。