戦争終了三つの条件
2026年3月8日の『サンデーモーニング』のトップニュースは、イラン情勢でした。
「ナメていた」トランプ氏の誤算とは?イラン攻撃”泥沼化”の可能性も... 当初「2、3日でも可能」→今は長期戦を示唆【サンデーモーニング】 | TBS NEWS DIG
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2516154イランの最高指導者を殺害し、体制転換を狙うトランプ氏。一方で、どうやって戦争を終わらせ、新たな体制をどうするのかといった展望は描けているのでしょうか。東京のガソリンスタンドでは...客「来週あたり高く…
アナウンサー:イランの最高指導者を殺害し、体制転換を狙うトランプ氏。一方で、どうやって戦争を終わらせ、新たな体制をどうするのかといった展望は描けているのでしょうか。
このことは、万人に関心があるもっともな疑問です。
戦争が終了する条件としては、弱者が強者に対して条件なしに戦闘行動を停止する【無条件降伏 unconditional surrender】、一定の条件に合意して戦闘行動を一時的に停止する【停戦 armistice】、一定の条件に合意して戦争状態を恒久的に終結する【講和 peace treaty】があります。
すなわち、戦争を終わらせるためには、圧倒的な戦力の差により無条件降伏を求めるか、一定の条件に合意して停戦・講和するかのいずれかが必要となります。
ここで、戦争が長期化・泥沼化するのは、①圧倒的な戦力差があるにもかかわらず弱者が抵抗を止めないケースと②戦力差が均衡していて合意に至らないケースです。
まず、①の例としては、ベトナム戦争・アフガニスタン戦争・イラク戦争が挙げられます。非正規軍によるゲリラ戦は、米軍兵士に多くの戦死者を出すこととなり、PTSDなど強い心理的ストレスを与えました。結果的に米国にとって大きな政治的敗北となりました。
次に、②の例としては、ウクライナ戦争が挙げられます。ロシア軍の圧倒的な戦力に対して、欧州の支援によってウクライナ軍が戦力を均衡させています。この場合の勝敗は、軍費を賄う経済力に依存することになります。
これらのうち、今回のイラン攻撃において懸念されるのが前者のケースです。宗教国家であるイランにおいては、米軍がたとえ正規軍である国軍と革命防衛隊を制圧したとしても、スキルをもった正規軍の軍人が非正規舞台となりゲリラ戦を展開する可能性が十分に考えられます。
このシナリオを実現させないために必要な米国の戦略は、正規軍が非正規化する前に、イラン政府と一定の条件を合意して講和を結ぶことです。この講和の絶対条件として挙げられるのは、イランのウラン濃縮施設の凍結ですが、この条件下でどこまでイランの現体制の要求を認めるかが鍵となります。

