そして現在のロシア・ウクライナ戦争においては、人口に占めるこれら諸民族の人々の戦死傷者率と、モスクワを中心とした「ロシア人」の戦死傷者率とでは桁違いの差が出ており、明らかに少数民族出身者を意図的に前線に送り込み、その結果多数の戦死者を出している状況が生まれている。まさに「大砲の餌食」として次々に犠牲にさせられているのだ。カール・フォン・ハプスブルグはまさにこの点を指摘している。
ロシアを17の部分に分割した地図

「ロシア後の自由な民族フォーラム」が掲げているロシア分裂後の地図
さらにハプスブルクは次のように呼びかけている。
“市民の安全に関心を持つヨーロッパの人々は「モスクワ植民地帝国」の崩壊のシナリオをできるだけ早く策定すべきです。”
その上で同氏は、ヨーロッパは「パワーポリティクスの基本を再学習する」必要があると強調した。
また、中国は、ロシアが崩壊した場合、ロシアの特定の領土をどのように確保するかというシナリオをすでに検討しているとも述べた。
ロシアの脱植民地化計画、つまり諸民族の独立を説明するために、コミ、ウラル、シベリア、サハ、ブリヤート、トゥヴァ、アルタイ、北コーカサス連邦、タタールスタン、バシコルトスタン、カルムイクなどの、ロシアを17の部分に分割した地図をも示した。ヨーロッパの新しい政策目標として「ロシアの崩壊」を設定すべきであると強く訴えたのだ。