事実と比喩としての「国旗損壊」
2026年5月31日の『サンデーモーニング』の特集「風をよむ」のテーマは国旗損壊罪でした。
日本人にとって「日の丸」とは。 国を応援するシンボルであり軍国主義の象徴となった過去も... 「国旗損壊罪」法案を前に「日の丸」の歴史を紐解く【サンデーモーニング】 | TBS NEWS DIG
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2697169「日本の国旗を傷つけてもお咎めなしというのはおかしい」と訴える高市総理のもと、国旗損壊罪を定めようという議論が進んでいます。その目的はどこにあるのか。そして、そもそも「日の丸」とは日本の歴史の中でど…
膳場貴子氏:「日本の国旗を傷つけてもお咎めなしというのはおかしい」と訴える高市総理のもと、国旗損壊罪を定めようという議論が進んでいます。その目的はどこにあるのか。そして、そもそも「日の丸」とは日本の歴史の中でどのような役割を担ってきたのでしょうか。(中略)
「日の丸」を傷つける行為を処罰するという「国旗損壊罪」法案の自民党骨子案。人に著しく不快感を抱かせる方法で国旗を傷つけることなどを処罰の対象にするとしています。(中略)
オリンピックなどでは国を応援するシンボル、そして時に、軍国主義の象徴と見なされた「日の丸」。人々が抱く思いも複雑です。
私たちが使う言葉には【メトニミー(換喩) metonymy】という修辞表現があります。
例えば「黒帯」と言えば、文字通りに「黒い帯」を意味するだけでなく「柔道の有段者」を意味します。これは柔道の有段者が通常黒帯を身に着けているからです。
また「ホワイトハウス」と言えば、米合衆国大統領の官邸を意味するだけでなく「米合衆国の政権」を意味します。これは大統領をはじめとする政権がホワイトハウスで執務を行っているからです。
「永田町」「霞が関」「桜田門」「ウォール街」「兜町」なども同じで、場所そのものを意味すると同時に、その場所で特徴的に営まれている事業を意味します。これらは、二つの事物の「空間的な近さ」を利用して物事を例えるメトニミーです。
また、因果関係など二つの事物の「時間的な近さ」を利用して物事を例えるメトニミーもあります。
例えば、「汗をかく」と言えば「努力する」、「仮面を剥ぐ」と言えば「正体を暴く」、「門を叩く」と言えば「弟子入りする」、そして「土足で踏み込む」と言えば「配慮なく立ち入る」ことを意味します。
ここで「国旗を損壊する」という行為については、その文字通りの事実と同時にメトニミーとしての意味を考慮する必要があります。
まず、日本の「国旗」は、日本という地理的関係(空間的関係)から、「日本国民」「日本人」「日本国」「日本国政府」「日本企業」などのメトニミーとして使われます。このメトニミーとしての国旗の利用は世界共通です。
例えば、次の図は、2026年5月16日に行われた英国女子サッカーリーグ(WSL)のウェストハムvsマンチェスターシティ戦のラインナップを示したものです。選手の国籍を示すフラグとして国旗が利用されています。

