加害者に寄り添う報道
2026年5月24日の『サンデーモーニング』では、3月22日に事故の発生を短く報じて以来、2か月以上も経って、やっと辺野古転覆事故に関する続報を短く伝えました。その内容は、事故の被害者に寄り添って加害者を追及するものではなく、加害者の自称「平和教育」に寄り添うものでした。
膳場貴子氏:米軍の基地を建設するための埋め立て工事が行われている沖縄県の名護市辺野古沖で、修学旅行の高校生を乗せた船が転覆し、女子生徒と船長の男性が死亡した事故。沖縄での平和学習の一環として現場を訪れた学校側の姿勢をめぐって、この日文科省が異例の判断を示しました。
松本洋平文科相(VTR):辺野古への移設工事に関する学習について、現時点で把握した情報からは、政治的活動を禁じる教育基本法第14条第2項に反するものであった。
膳場貴子氏:教育基本法第14条2項では、「学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない」と定められています。文科省は、生徒らが乗った船が、普段は基地建設に反対する抗議活動に使われた船であったことを問題視。その上で、辺野古での学習が特定の見方や考え方に偏っていたなどとして、教育基本法の施行以来、初めてとみられる違反の認定を下しました。野党からは慎重な対応を求める声も
中道改革連合・小川淳也代表:船舶の安全航行管理の問題と教育内容にかかわる問題とは、ちょっと区別して考えるべきだと。例えば、海岸を埋め立てて米軍基地を作ることの善し悪し。賛否いろいろあってよいことを実地で学ぶとか。そういう教育成果そのものを頭ごなしに否定しかねない。あるいは(教育)現場を萎縮させかねない。
この事故は、特別な思想的背景もない普通の高校生が、ヘリ基地反対協議会による「平和教育」という美名を装った危険なプログラムに、なし崩しに参加させられ、かけがえのない命を奪われたものです。
膳場氏は、あたかも文科省が「生徒らが乗った船が、普段は基地建設に反対する抗議活動に使われた船であったこと」を問題視したかのように報じていますが、これは【過度な単純化oversimplification】に他なりません。産経新聞は、松本文科相の会見の内容について次のように報じています。
産経新聞 2026年5月22日
《辺野古転覆、同志社国際実施の平和学習は「政治的活動」に該当 文部科学省が調査結果公表》
公表された調査結果によると、今年の研修旅行初日の開会礼拝メッセージで、事故で死亡した抗議船「不屈」の金井創船長から「基地建設に反対しここから入るなよっていうエリアがある。あえて入っていって抗議する。陸では警察機動隊に、海では海上保安庁に拘束される」などと発言があった。過去の研修旅行の際にも「抗議活動の一端を見てほしい」などの呼びかけがあった。
また、昨年の研修旅行の際には、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する「ヘリ基地反対協議会」名義で領収書が発行されていたほか、過去複数年にわたって、しおりに基地反対の「座り込み」を生徒に呼びかける文言を記載していた。
文科省はこうした点を踏まえ、研修旅行が政治的活動に該当すると判断したほか、事前・事後学習を含めて特定の見方や考え方に偏った取り扱いであったと結論付けた。


