「豊かになる前に老いる中国」の悲劇―データが示す中国経済の近未来|澁谷司

「豊かになる前に老いる中国」の悲劇―データが示す中国経済の近未来|澁谷司

全人代で李克強首相が「需要の縮小、供給網への衝撃、市場の期待の後退」という「三重の圧力にさらされている」と危機感を表明した中国経済。経済より政治が優先される習近平政権下で今何が起きているのか。確かなデータをもとに中国経済の現状と近未来を緊急分析する。


GDP=投資+消費+貿易収支+政府支出

〔図表1〕・〔図表2〕の通り、中国のGDPは、概ね、「投資>消費」となる。ただし、投資は消費の2倍ほどは大きくない。

ところが、2009年以降、〔貿易収支+政府支出〕のプラス分があるにもかかわらず、なぜか〔投資+消費〕の2項目だけで、GDPを超えてしまっている(2020年に元に戻る)。そして、投資が消費の2倍近くにもなる。

中国の場合、貿易赤字に陥ったのは、1991年以降、1993年だけで、他の年はすべて貿易黒字である。だから、21世紀以降、貿易収支は常にプラスとなっている。

また、政府支出は必ずプラスとなり、マイナスになることはない。というのは、政府は公務員に給料を払わなければならないし、公務員はその業務をするにあたり、事務用品(PCを含む)等が必要である。また、政府は公共事業も行わねばならないだろう。

〔貿易収支+政府支出〕の2項目が共にプラスにもかかわらず、なぜ〔投資+消費〕の2項目だけでGDPを遥かに超えるのだろうか。おそらく、中国共産党は、投資という項目の中に、政府支出(特に、公共事業)の大半を入れているのではないか。とすれば、北京政府は(財政赤字を覚悟して)政府が巨額の投資を行い、経済成長させていると推測できよう。

そのためか、中国の財政赤字は、少なくともGDPの300%以上ある(『ロイター』「中国の債務がGDPの300%を突破、世界全体の15%に:IIF(国際金融協会)」<2019年7月18日付>)という。

閑話休題。今度は〔図表3〕・〔図表4〕をご覧いただきたい(昨2021年は前年の「コロナ禍」の反動で、投資・消費共に増加)。

図表3

図表4

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