第2波も隠蔽か!中国の発表する数字は全部嘘だ!|矢板明夫

第2波も隠蔽か!中国の発表する数字は全部嘘だ!|矢板明夫

習近平国家主席が講話を行うとなぜか感染者が減少、習近平国家主席が視察するとなぜか入院患者49人が同時に完治しその日に退院、世界1高い治癒率93%、辻褄が合わない少なすぎる死者数――習近平「コロナ数字」の嘘とその背後に隠された真相を暴く!日本のメディアよ、これでもまだ中国の発表する数字をそのまま報じるのか?


2003年、SARSが発生した当時は胡錦濤政権が発足したばかりで、共産党内で改革派が大きな力を持ち、国際社会における中国の評価を気にしていた時代だった。  

WHOなどの国際組織もまだ機能しており、SARS蔓延直後にWHOが北京に調査団を派遣し、北京市内の軍が直営する301、309病院や中日友好病院などを調査している。  

ところが病院側は、同調査団が到着する数時間前に、SARS患者たちを救急車に乗せて市内を走らせるなどの「患者隠し」を行っていた。このことがのちに外国メディアに報じられ、メンツが丸つぶれとなった胡錦濤指導部は、当時の北京市長と衛生相を更迭した。  

しかし、現在は習近平氏とその周辺がメディアをコントコール下に置いており、国際社会の評価をあまり気にしていないばかりか、金銭外交でWHOをはじめ、多くの国際組織の主導権も握っている。WHOのテドロス事務局長は、エチオピア外相時代から、中国からの多額な支援を手にしたことで中国と昵懇になり、その後、中国の力によっていまのポストに就いたといわれる。  

中国の言うことを何でも聞くテドロス氏は今回も中国の対応を何度も絶賛し、中国の意向を汲んで、緊急事態宣言を出すのが一週間遅れた。そのことによって感染が世界中に広がった。  

現に、外国でいち早く感染症が拡大している国は、中国と関係の近い国ばかりだ。主要国首脳会議(G7)で唯一、中国の巨大経済圏構想、一帯一路を支持したイタリアや、中東で中国と最も関係の近いイランの被害が深刻化したのは、中国の言うことを鵜みにし、感染症が拡大し始めた頃、無防備に中国人を大量に入国させたことが主な原因の一つだといわれている。

嘘の裏にある人権弾圧

「感染症との闘いに勝利した」  

中国政府が世界に対して堂々とこう宣言している背景には、国内のインターネット規制を強化したほか、真実を伝えようとする人々への徹底弾圧がある。  

武漢市中心医院の医師、李文亮氏はその一例だ。李氏は2019年12月下旬、別の医師から「武漢市で正体不明の肺炎が流行っている」との情報を知り、それを通信アプリ「微信」のグループチャットに書き込んだ。知人に対し外出を控えるように呼び掛けただけだが、その直後に警察から呼び出された。  

警察は長時間にわたる取り調べをして、反省文を書かせて厳重注意をして釈放した。李氏とほぼ同時に当局から注意を受けた医療関係者は計八人いたが、中国官製メディアは、武漢市の警察が「デマを広めた容疑者」を八人検挙したことを大きく報じ、「社会秩序を乱す行為は許されない」との解説記事もつけられた。  

このことが、武漢市民に「病気のことをインターネットに書くと犯罪者になる」という恐怖心を植え付けた。

「この8人の検挙がなかったら、インターネットで武漢ウイルスがもっと早く話題になり、被害を小さく抑えられたはずだ」と、中国の人権派弁護士は分析する。

「習近平のコロナ対応」を批判!その後相次いで消息不明に

Getty logo

関連する投稿


自衛官の処遇改善、先送りにした石破総理の体たらく|小笠原理恵

自衛官の処遇改善、先送りにした石破総理の体たらく|小笠原理恵

「われわれは日本を守らなければならないが、日本はわれわれを守る必要がない」と日米安保条約に不満を漏らしたトランプ大統領。もし米国が「もう終わりだ」と日本に通告すれば、日米安保条約は通告から1年後に終了する……。日本よ、最悪の事態に備えよ!


日本人宇宙飛行士、月に行く|和田政宗

日本人宇宙飛行士、月に行く|和田政宗

今年の政治における最大のニュースは、10月の衆院選での与党過半数割れであると思う。自民党にとって厳しい結果であるばかりか、これによる日本の政治の先行きへの不安や、日本の昨年の名目GDPが世界第4位に落ちたことから、経済面においても日本の将来に悲観的な観測をお持ちの方がいらっしゃると思う。「先行きは暗い」とおっしゃる方も多くいる。一方で、今年決定したことの中では、将来の日本にとても希望が持てるものが含まれている――。


トランプの真意とハリスの本性|【ほぼトラ通信4】石井陽子

トランプの真意とハリスの本性|【ほぼトラ通信4】石井陽子

「交渉のプロ」トランプの政治を“専門家”もメディアも全く理解できていない。トランプの「株価暴落」「カマラ・クラッシュ」予言が的中!狂人を装うトランプの真意とは? そして、カマラ・ハリスの本当の恐ろしさを誰も伝えていない。


習近平「チベット抹殺政策」と失望!岸田総理|石井陽子

習近平「チベット抹殺政策」と失望!岸田総理|石井陽子

すぐ隣の国でこれほどの非道が今もなお行なわれているのに、なぜ日本のメディアは全く報じず、政府・外務省も沈黙を貫くのか。公約を簡単に反故にした岸田総理に問う!


中国、頼清徳新総統に早くも圧力! 中国が描く台湾侵略シナリオ|和田政宗

中国、頼清徳新総統に早くも圧力! 中国が描く台湾侵略シナリオ|和田政宗

頼清徳新総統の演説は極めて温和で理知的な内容であったが、5月23日、中国による台湾周辺海域全域での軍事演習開始により、事態は一気に緊迫し始めた――。


最新の投稿


【今週のサンモニ】論理破綻な「旧統一教会解散命令」報道|藤原かずえ

【今週のサンモニ】論理破綻な「旧統一教会解散命令」報道|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


大相撲界に噂される「ブラックボックス」|なべやかん

大相撲界に噂される「ブラックボックス」|なべやかん

大人気連載「なべやかん遺産」がシン・シリーズ突入! 芸能界屈指のコレクターであり、都市伝説、オカルト、スピリチュアルな話題大好きな芸人・なべやかんが蒐集した選りすぐりの「怪」な話を紹介!


【今週のサンモニ】潔癖で党総裁になったのに潔癖でなかった石破首相|藤原かずえ

【今週のサンモニ】潔癖で党総裁になったのに潔癖でなかった石破首相|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


【読書亡羊】悪用厳禁の書! あなたの怒りは「本物」か  ジュリアーノ・ダ・エンポリ著、林昌弘訳『ポピュリズムの仕掛け人』(白水社)|梶原麻衣子

【読書亡羊】悪用厳禁の書! あなたの怒りは「本物」か ジュリアーノ・ダ・エンポリ著、林昌弘訳『ポピュリズムの仕掛け人』(白水社)|梶原麻衣子

その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


自衛官の処遇改善、先送りにした石破総理の体たらく|小笠原理恵

自衛官の処遇改善、先送りにした石破総理の体たらく|小笠原理恵

「われわれは日本を守らなければならないが、日本はわれわれを守る必要がない」と日米安保条約に不満を漏らしたトランプ大統領。もし米国が「もう終わりだ」と日本に通告すれば、日米安保条約は通告から1年後に終了する……。日本よ、最悪の事態に備えよ!