8647―「トランプ暗殺指令」が示したアメリカの病理|石井陽子

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それはただの遊び心か、それとも深く暗い意図のある“サイン”か――。FBIを率いた男がSNSに投稿した一枚の写真は、アメリカ社会の問題をも孕んだものだった。


「ジェームズ・コミーが、僕の父を殺せと言っている」

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ドナルド・トランプ・ジュニア氏(左)

陰謀論的な言動や挑発的な発言で知られるルーマー。今回も「暗殺の合図だ」と騒ぎ立てた投稿には、“さすがにやりすぎだ”と冷ややかな反応も少なくなかった。だが、単なる突飛な主張として片づけてしまうのは早計かもしれない。

実はこの投稿に、ある種の“メッセージ”を読み取ったのは、彼女ひとりではなかったからだ。何を隠そう、国土安全保障省のクリスティ・ノーム長官も同様の受け止め方をしていたのだ。ノームは、「失脚した元FBI長官ジェームズ・コミーが、トランプ大統領の暗殺を呼びかけた」とXに投稿し、同省がすでに調査を開始したことを明らかにした。

この件は瞬く間に炎上し、波紋を広げていく。現FBI長官のカシュ・パテル氏は、FBIが投稿の内容を把握しており、大統領警護隊(シークレットサービス)と連携して対応しているとXで表明。ホワイトハウスのダン・スカヴィーノ副首席補佐官も、「コミーは、悪意ある者やテロリストに対し、大統領暗殺を促しているも同然だ。絶対に見過ごしてはならない!」と強く非難した。

また、トゥルシー・ギャバード国家情報長官はFoxニュースのインタビューで、 「コミーが暗殺を呼びかけるような発言をした」との認識を示した上で、「私は彼が刑務所に入るべきだと思う」と付け加えた。コミー氏には大きな影響力があり、「彼の言葉を非常に真剣に受け取る人々がいる」という危険性も指摘した。

そしてもちろん、大統領の長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏もX上で真っ先に反応を示していた。「ジェームズ・コミーが、僕の父を殺せと言っている」と怒りをあらわにしたのである。

シークレットサービスが事情聴取

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