日本政府が拒否した事実はまったくない
「救援が遅い」「ここに支援が届いていない」という事実に基づいた声や批判については、本当に申し訳なく、救助や支援が届くよう全力を尽くしていく。述べてきたように、消防、自衛隊をはじめ懸命に救援活動を行っている。
さらに、台湾政府が準備していた救助隊について、「日本政府が拒否した。中国への忖度だ」とSNS等で拡散されたが、これもまったくの誤情報である。私が昨日午後、政府に確認したところ、拒否した事実はないということが判明しSNSで発信した。
台湾政府もこうした言説は誤りであることを昨晩、公式に表明した。現在、自衛隊等関係機関が全力で救援、支援にあたっており、政府は状況に応じて外国からの援助隊を受け入れることとしており、拒否した事実はまったくない。
台湾政府も、「台湾からの申し出に対し日本政府が感謝の意を表明し、海外からの支援については災害の状況に応じて検討すると伝えられた」と述べた。台湾は、日本政府の災害援助計画を「十分理解し尊重している」とし、今後、日本側から要望があった場合は「全面的に協力する」と表明した。
まずは政府、自衛隊等関係機関一丸で懸命に対応し、我が国の力でどうしても対応できない時は、台湾はじめ各国の力をお借りする。東日本大震災の被災地で各国からの支援を受けた私からも、能登半島地震においても各国から救援の申し出を頂いたことに心から感謝を申し上げたい。
いまは皆で一丸となってこの国難を乗り越えていかなくてはならない。被災地の救援支援に対し、事実に基づかない批判をするのは、被災された方のためではなく、自らのイデオロギーや主張のために利用していると見られてもおかしくない。地震対応に問題があるならその克服や改善を政府は全力で図る。私も引き続き、救援・支援に全力を尽くしていく。
著者略歴
1974年、東京生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業(日本外交史)。1997年、アナウンサーとしてNHKへ入局。新潟局、帯広放送局、大阪放送局を経て、2009年7月より仙台放送局に勤務。東日本大震災の報道や取材に携わる。2013年、第23回参議院議員選挙において、宮城県選挙区で初当選。2019年、全国比例区で再選。