「豊かになる前に老いる中国」の悲劇―データが示す中国経済の近未来|澁谷司

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全人代で李克強首相が「需要の縮小、供給網への衝撃、市場の期待の後退」という「三重の圧力にさらされている」と危機感を表明した中国経済。経済より政治が優先される習近平政権下で今何が起きているのか。確かなデータをもとに中国経済の現状と近未来を緊急分析する。


豊かになる前に老いる国

また、65歳以上の老齢人口が、2015年と2020年を比べると、4540万人も増加(〔図表9〕)した。全人口に占める割合も、10.5%から13.5%と3ポイントも増えている。

図表9

中国に関しては、以前から囁かれていた「(皆が)豊かになる前に老いる(高齢化する)」という現象が現実化したと考えられる。そして、現在、中国は(生産年齢人口の多い)「人口ボーナス」から(被扶養人口の多い)「人口オーナス」へという道を辿っているのではないか。つまり、労働者数の減少で消費が低迷する一方、1人当たりの社会保障負担が増大傾向にある。

中国の未来は暗い

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