ロシアによる原発の制圧と運転停止の目的が、エネルギー供給を不可能にして、ウクライナ国民の生活や経済活動を困難にし、ウクライナを降伏に追い込むことにあるのは明らかである。他の原発も順次制圧されて、運転停止に追い込まれる可能性が大きい。寒い時期の停電は国家の存続を危うくする。今回の原発攻撃・制圧をきっかけに、西側諸国の団結とウクライナ支援が一層強まることを願ってやまない。(2022.03.07国家基本問題研究所「今週の直言」より転載)
国基研理事、東京工業大特任教授。1952年、東京都生まれ。東京工業大理工学研究科原子核工学修士課程修了。専門は原子炉工学。東芝に入社し原子力の安全性に関する研究に従事。同社電力・産業システム技術開発センター主幹などを務め、2007年に北海道大大学院教授に就任。同大大学院名誉教授・特任教授を経て現職。