徹底検証!習近平の「台湾侵攻」は本当に可能なのか?|澁谷司

徹底検証!習近平の「台湾侵攻」は本当に可能なのか?|澁谷司

今年(2022年)2月24日、ロシアがウクライナへ侵攻した。それ以来、盛んに、台湾海峡危機とウクライナ危機が同列に語られている。本当に中国は「台湾侵攻」を決行するのか、徹底検証する。


中国の古典で、最も重要な文献の一つは『孫子』である。これを読めば、中国共産党幹部(人民解放軍幹部を含む)の行動様式が、ある程度わかる。

『孫子』の「敵を知り己を知れば百戦危うからず」は日本人によく知られたフレーズである。ところが、これは孫子の唱える“ベスト”ではない。“ベスト”から遠く離れた“セカンドベスト”である。孫子は決して武力の使用を奨励していない。孫子の唱える“ベスト”は「戦わずして勝つ」である。

そのため、様々な手法で敵を脅すのはもちろんのこと、(1)偽情報を流す、(2)賄賂を送る、(3)スパイを送り込む、(4)ハニートラップを仕掛ける等、あらゆる手段を採る。武力を用いずに敵に勝利する事こそが、孫子の唱えた最高の戦法である。

当然、共産党幹部もこの孫子の兵法を熟知している。また、中国が必ずしも「中台戦争」で勝利するとは限らない。そのため、孫子の哲学に沿った戦法を採るのではないだろうか。したがって、人民解放軍が軽々しく「台湾侵攻」を敢行しないと考える方が自然である。

「台湾侵攻」の模擬演習で6勝48敗

周知の如く、米国は毎年のように、世界中で戦闘を行っている。だが、中国は、1979年の中越国境紛争以後、40年以上、大規模な本格的戦闘を行っていない。だから、実戦経験に乏しい。せいぜい、近年の中印国境紛争ぐらいだろう。これとて、棍棒で殴り合うという原始的な戦いである。

実は、朱日和(内モンゴル自治区にある中国陸軍の総合訓練場)に“台湾総統府街区”の模擬建築物が建造されている。そこで、人民解放軍が「台湾侵攻」の模擬演習を行った。昨年9月、『三立新聞網』の報道によれば、解放軍側が6勝48敗6引き分けと散々な戦績に終わったという。模擬演習でさえ、この有様である。実戦となれば、更に厳しい結果が待ち受けていよう。

「アキレス腱」三峡ダムをミサイルで破壊

Getty logo

関連する投稿


習近平主席の焦りと虚構の「日中紛争」|青山繁晴【2026年2月号】

習近平主席の焦りと虚構の「日中紛争」|青山繁晴【2026年2月号】

月刊Hanada2026年2月号に掲載の『習近平主席の焦りと虚構の「日中紛争」|青山繁晴【2026年2月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


【現代中国残酷物語 拡大版】香港大火災は中国式大人災だ|福島香織【2026年2月号】

【現代中国残酷物語 拡大版】香港大火災は中国式大人災だ|福島香織【2026年2月号】

月刊Hanada2026年2月号に掲載の『【現代中国残酷物語 拡大版】香港大火災は中国式大人災だ|福島香織【2026年2月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


中国軍機レーダー照射事件 三つの問題点|織田邦男【2026年2月号】

中国軍機レーダー照射事件 三つの問題点|織田邦男【2026年2月号】

月刊Hanada2026年2月号に掲載の『中国軍機レーダー照射事件 三つの問題点|織田邦男【2026年2月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


夫婦でロシア入国禁止の理由とは?|石井英俊

夫婦でロシア入国禁止の理由とは?|石井英俊

民間人にまで及ぶ「ロシア入国禁止措置」は果たして何を意味しているのか? ロシアの「弱点」を世界が共有すべきだ。


チャーリー・カーク暗殺と左翼の正体|掛谷英紀

チャーリー・カーク暗殺と左翼の正体|掛谷英紀

日本のメディアは「チャーリー・カーク」を正しく伝えていない。カーク暗殺のあと、左翼たちの正体が露わになる事態が相次いでいるが、それも日本では全く報じられない。「米国の分断」との安易な解釈では絶対にわからない「チャーリー・カーク」現象の本質。


最新の投稿


習近平主席の焦りと虚構の「日中紛争」|青山繁晴【2026年2月号】

習近平主席の焦りと虚構の「日中紛争」|青山繁晴【2026年2月号】

月刊Hanada2026年2月号に掲載の『習近平主席の焦りと虚構の「日中紛争」|青山繁晴【2026年2月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


【読書亡羊】ベネズエラ国民「私たちを見捨てないで!」 トランプがマドゥロ拘束に動くまで  外山尚之『ポピュリズム大国 南米』(日本経済新聞出版)|梶原麻衣子

【読書亡羊】ベネズエラ国民「私たちを見捨てないで!」 トランプがマドゥロ拘束に動くまで 外山尚之『ポピュリズム大国 南米』(日本経済新聞出版)|梶原麻衣子

その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


存立危機事態に核武装で備えよ|長谷川幸洋【2026年2月号】

存立危機事態に核武装で備えよ|長谷川幸洋【2026年2月号】

月刊Hanada2026年2月号に掲載の『存立危機事態に核武装で備えよ|長谷川幸洋【2026年2月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


【現代中国残酷物語 拡大版】香港大火災は中国式大人災だ|福島香織【2026年2月号】

【現代中国残酷物語 拡大版】香港大火災は中国式大人災だ|福島香織【2026年2月号】

月刊Hanada2026年2月号に掲載の『【現代中国残酷物語 拡大版】香港大火災は中国式大人災だ|福島香織【2026年2月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


【今週のサンモニ】「サンモニ」の生き残る道が見えた(笑)解散報道|藤原かずえ

【今週のサンモニ】「サンモニ」の生き残る道が見えた(笑)解散報道|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。