太陽光発電の闇と小泉一族|奈良林直

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公職にある小泉進次郎環境大臣(当時)の主張が、自らの一族に「太陽光マネー」が転がり込む一因となっていたとすれば、利益相反にもなりかねない。その他、メディアが再エネを礼賛する裏で進む電力料金のさらなる値上げ、深刻な環境破壊など太陽光発電の深い闇を徹底追及する!


2011年の東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、我が国は実質的に「脱原発」政策を実行した。50基あった原発は現在9基しか稼働していない。

一方、国民が電力料金の一部として支払っている再エネ賦課金などから太陽光発電に90兆円が投資されることになっているが、発電量100万kW(キロワット)の原発67基分に相当する67GW(ギガワット)の太陽光パネルを世界一の密度で日本全土に敷き詰めたのに、我が国のCO2排出量は実質4%しか減っていない。仮に日本中の家屋に太陽光パネルの設置を義務付けても、新築以外は設置工事が困難で、焼け石に水である。

今後、政府は風力発電に力を入れるとしているが、600億円を投じた福島県沖の大型風力発電所は撤去されることが決定している。メーカである三菱重工の製品性能が低かったからではない。強い風が吹かないからだ。我が国では、北海道の日本海沿岸にしか風力発電に適した強い風の吹く地域がない。だがそれすらも風の強さや強い風の吹く時間はイギリスやデンマークの半分程度だ。

撤去される洋上風力

再エネによる深刻な環境破壊

現在、1kWh(キロワット時)当たりのCO2排出量が低い国のランキングで上位を占めるのは、ノルウェー、スウェーデン、スイス、フランスなど、水力発電と原発を主要な電力源とする国々だ。

ドイツは再エネ比率40%に達したと、先述のとおり我が国では「再エネ先進国」のように礼賛しているが、褐炭や石炭、そして天然ガスを多量に使うCO2排出大国でもある。おまけに再エネの切り札の1つとされる、バイオマスの8%もの高い比率は、インドネシアやマレーシアなどの熱帯雨林を伐採した木材チップの輸入によってもたらされている。つまり膨大な熱帯雨林を伐採する環境破壊によって成り立っている。

熱帯雨林の伐採によりオラウータンなどの多様な生物の住処が破壊され、伐採後の森林は火が放たれ、灰燼となっている。日本でもバイオマス発電所の反対運動が起こっているが、こうした事実はほとんど知られていない。

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