太陽光発電の闇と小泉一族|奈良林直

太陽光発電の闇と小泉一族|奈良林直

公職にある小泉進次郎環境大臣(当時)の主張が、自らの一族に「太陽光マネー」が転がり込む一因となっていたとすれば、利益相反にもなりかねない。その他、メディアが再エネを礼賛する裏で進む電力料金のさらなる値上げ、深刻な環境破壊など太陽光発電の深い闇を徹底追及する!


IEAレポートについて国家基本問題研究所では以下の議論があった。

①今までの世界生産量の数十倍の資源が確保できるのか
②再エネを推進すると鉱物の採掘や精錬、使用済み製品の膨大な廃棄などで深刻な環境汚染の懸念があること
③世界的に不足している水資源を精錬過程で膨大に使用すること
④コンゴ民主共和国における児童雇用だけでなく、ウイグル族の虐待労働が再エネ製品製造に使われており、これを許して良いのか等

いま我が国の湖周辺の土地が中国資本に次々と買い占められている。中国はしたたかに手を打つなど資源確保を行っている。このままでは我が国は将来、太陽光パネル、風力発電、蓄電池、電気自動車、原発の分野で圧倒的シェアを誇る中国製品の輸入国に陥るだろう。これらの製品はかつて日本が世界一の技術力を誇っていた。だが、例えば2020年の世界のプラグインハイブリッドを含む電気自動車の生産台数は日本のメーカは全てベスト10圏外に落ち、ここでも中国が急伸している。

現実的な答えは「原発の活用しかない」

経団連の(故)中西宏明会長も、日本商工会議所の三村昭夫会頭も、安全性が確認された原発の着実な再稼働や新設・増設を政治家の強いリーダーシップで実現しなければならないと主張している。我が国が国際競争力を回復するには、安定で低廉な電気が必要不可欠である。加えて、我が国が鉱物資源の制約や環境汚染を回避するためにも、低廉な電力を安定して供給する「原発のリプレース(建て替え)・新増設」が必須である。これこそが中国の資源支配を打ち砕き我が国の産業の活力を維持する唯一の方法である。

日本では、いま原子力規制委員会が審査中の全ての原発の再稼働をすることでCO2を20%削減できる。将来的に電力需要の少なくとも35%を原発が担うとして、それに必要な原発24基の新増設や新型炉へのリプレースに推定34兆円かかるが、再エネへの投資に比べて費用対効果ははるかに大きい。2050年脱炭素化にしても原発活用しかない。

奈良林直

https://hanada-plus.jp/articles/403

国基研理事、東京工業大特任教授。1952年、東京都生まれ。東京工業大理工学研究科原子核工学修士課程修了。専門は原子炉工学。東芝に入社し原子力の安全性に関する研究に従事。同社電力・産業システム技術開発センター主幹などを務め、2007年に北海道大大学院教授に就任。同大大学院名誉教授・特任教授を経て現職。

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