台風が来れば、豪雨で太陽光はゼロ、風力発電機も強風による損傷防止のため回転を止め、発電できない日が1週間は続くこともある。その間、天候により電気出力が変動する変動再エネは火力か原子力のサポートが必要となる。メディアなどでは「再エネ先進国」などと持ち上げられ、我が国が「お手本」とするドイツは実は現在も多量の石炭火力と原発を用いているが、このような「不都合な真実」はメディアなどでほとんど報じられない。
東京オリンピック終了後の8月、日本では1週間もの間、日本各地で集中豪雨が続き太陽光発電はずっとゼロが続いていた地域が多かった。
日本の電源構成(2020年)
ドイツの電源構成(多量の石炭使用)(2019年)
「原発67基相当の発電設備」でも発電シェアはわずか8%
冒頭で述べたとおり、我が国の太陽光パネルは今年度末に原発67基相当の発電設備となるが、年間の発電シェアはわずか8%しかない。にも拘わらず消費者が毎月の電気代に上乗せされるかたちで支払っている再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ発電促進賦課金)から、20年間(事業用の太陽光発電の契約期間)で総額60兆円が太陽光発電会社に支払われるとされている。
仮に太陽光など変動再エネで80%、水力とバイオマス(木材、パーム油など)で20%の電力を供給するとなると、今の10倍の600兆円のコストがかかる。さらに電力消費量が増える昼間に電力を蓄える設備も必要となり、さらに別途400兆円がかかる。つまり、本の国家予算の10年分に相当する計1000兆円の設備投資が必要なのだ。
それだけではない。CO2の排出を実質ゼロにするためには、車もすべて電気自動車か水素燃料電池車とし、製鉄も電炉とコークスの代わりに水素を使う製鉄にして、初めてCO2の排出量ゼロが実現する。