朴槿恵はこうして「殺された」米国人博士が暴いた朴槿恵弾劾の真相|タラ・オ(Tara O)博士

朴槿恵はこうして「殺された」米国人博士が暴いた朴槿恵弾劾の真相|タラ・オ(Tara O)博士

「驚いたことに、朴槿恵大統領弾劾訴追案の国会成立まで、直接的な捜査はもちろん証拠を収集する努力さえなかった。 法典にもない『国政壟断』という罪に問われ、その国政壟断の『スモーキングガン(動かぬ証拠)』はJTBCのタブレットPC報道だった。」


国会は関連捜査や裁判が終わるまで待たなかった。 国会は弾劾訴追案の発議からわずか6日後に、チェ氏に対する捜査や裁判が開始した時期に、朴大統領を弾劾訴追した。

チェ氏を捜査する特別検察官のパク·ヨンスを任命する過程にも問題がある。 通常なら、国会は特別捜査官やその候補を推薦し、大統領にその任命権限がある。 決議案には、国会ではなく朴大統領の弾劾を目指す二つの政党 –トブロ(共に)民主党と国民党 –が、特別検事を指名したと述べられている。本来は、国会全体が推薦後、大統領が任命するものである。憲法による三権分立は、政府、国会、司法府が関与するのに、特別検事を指名する権限が国会ではなく、事実上、野党両党に与えられたのだ。 両野党は、行政府に匹敵する三権分立の一部のように行動したが、それ自体だけでも憲法違反となる。[10]

弾劾訴追案(The Impeachment Bill)

弾劾訴追案の内容にも重大な問題があった。 弾劾訴追案はきちんとした根拠もないまま、性急かつ非専門的なやり方で作成された。 憲法裁判所は弾劾訴追案を再作成して提出することを要求し、これによって新たに提出された文書をもって、憲法裁判所の審理が行われた。 弾劾訴追案の内容が修正されたのであれば、国会で再び表決するのが妥当であるが、直ちに憲法裁判所に送られた。 結果として、国会の表決を経ていない、新たに修正された弾劾訴追案が憲法裁判所で扱われたというわけだ。

先立って言及したように、国会の弾劾議決当時、朴槿恵大統領に対する捜査はおこなわれなかった。捜査結果の代わりに、新聞記事が根拠文書として添付された。 弾劾訴追案は41ページだったが、21件の添付資料のうち15件がマスコミ記事だった。[11] 弾劾訴追案は2016年12月3日付で作成された。 弾劾訴追案の最後のページ(41ページ)のタイトルは「証拠、その他調査上、参考資料」とされており、弾劾訴追案に添付された文書を列挙している。「その他」という表現が挿入されている題目もこの上なくおかしい。弾劾訴追案に添付された文書は次のとおりである。(「記事」は強調するため、太字にした。): [12]

  1. チェ・スンシル、アン・ジョンボム、チョン・ホソンに対する控訴状
  2. チャ・ウンテク、ソン・ソンガク、キム・ヨンス、キム・ホンタク、キム・ギョンテに対する控訴状
  3. 2004年5月14日、大統領(ノ・ムヒョン)弾劾関連、憲法裁判所の決定文[2004憲ナ1決定]
  4. 1997年4月17日 日海財団設立、全斗煥、盧泰愚事件関連最高裁判所の判決文[96ト3377]
  5. 2015年10月27日、経済活性法案、5大労働改革法の処理などに関する朴槿恵大統領の施政演説、国会本会議 議事録
  6. 2016年11月4日、朴槿恵大統領 国民向け談話文
  7. チェ・スンシル、キム・ジョンドク-キム・サンリュル人事介入関連記事
  8. キム・ジョン、チェ·スンシル、チャン·シホ 利権介入支援関連記事
  9. ユ・ジンリョン、文化体育観光部、乗馬協会の調査?監査関連インタビュー記事
  10. チャン・シホ、冬季スポーツの英才センター予算支援関連記事
  11. チャ・ウンテク、国民体操予算支援関連記事
  12. CJのイ・ミギョン副会長の退陣、朴槿恵大統領指示によるものというチョ・ウォンドン前首席秘書官インタビュー記事
  13. チョン・ユンフェ 捜査縮小関連、故キム・ヨンハン元民政首席備忘録記事
  14. チョン・ユンフェ 国政壟断疑惑を巡るハン・イル前警衛インタビュー記事
  15. チョン・ユンフェ 文献報道報復関連、チョウ・ハンギュ前世界日報社長インタビュー記事
  16. 朴大統領、各グループに対する当面の懸案を整理した資料要請に関する記事
  17. 国民年金、サムソン物産と第一毛織の合併賛成関連記事
  18. ホン・ワンソン国民年金基金運用本部長とサムソン、イ・ジェヨン副会長の面談関連記事
  19. 2015年「光復70周年特赦」実施、報道資料
  20. SKとロッテ、免税店追加設置に対する特恵関連記事
  21. Kスポーツ財団、捜査情報の事前認識疑惑関連記事

ご覧の通り、ほとんどの参考資料はマスコミ記事であり、二つの資料(公訴状)は周辺人物の容疑に対するもの、また他の二つの資料(判決文)は前大統領に関するもの、そして他の二つの資料は、朴槿恵大統領の演説文である。

少なくとも記事のタイトルからは、チェ氏の国政壟断と直接関連した証拠と言えるようなものはひとつもなかった。たとえ国政壟断に関するものがあったとしても、国政壟断そのものが憲法や他の法律に違反したわけではないため、弾劾の事由にはならない。

2016年12月9日、国会が表決した弾劾訴追案には、具体的にどのような内容が盛り込まれているのか? 弾劾訴追案では大きく二種類の違反行為 -憲法違反と法律違反– を指摘している。

弾劾訴追案は、朴槿恵大統領が広範囲で重大な憲法、法律違反を犯したという文句で始まり、最初の添付資料である「チェ・スンシル、アン・ジョンボム、チョン・ホソンの控訴状」を引用している。 前述のとおり、捜査や裁判はまだ進行状態だった。 結局、国会は捜査結果や裁判官の確定判決に根拠せず、朴大統領ではない周辺人物の容疑をもとに憲法と法律に違反したという深刻な疑いを提起したのだ。[13]

このように捜査結果もない根拠が不足した状況で、国会は下記のように朴大統領が「憲法の規定と原則に違背し、憲法秩序の本質的内容を毀損、侵害、乱用した」と告発した。[14]

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