2025年4月18日、ホワイトハウスはCOVID-19の公式ウェブサイト[18]を更新し、新型コロナウイルスは武漢ウイルス研究所から流出したものであるとの見解を発表した。このニュースは日本でも少しは取り上げられたが、日本のメディアが「トランプは陰謀論者である」との偏向報道を繰り返しているせいか、これを単なる「陰謀論」として捉えている日本人は少なくない。しかし、ホワイトハウスの発表には、研究所流出と結論づける科学的根拠が明記されていた。
具体的には、以下の5点を挙げている。
1. このウイルスには自然界には存在しない生物学的特徴がある。
2. 全てのCOVID-19症例は単一のヒトへの侵入経路から発生している。これは、複数回のスピル オーバー(動物から人への感染)が起きた過去のパンデミックとは対照的である。
3. 武漢には中国のSARSウイルス研究を中心的に担う研究所があり、不十分な安全管理の下で機能獲得研究(病原体の遺伝子を改変してその感染性や毒性を強める研究)を行ってきた歴史がある。
4. 武漢ウイルス研究所の研究者が、2019年秋にCOVID-19に類似した症状で体調を崩していた。これは海鮮市場でCOVID-19が発見されるより前のことである。
5. 自然由来の科学的証拠があるならば既に明らかになっているはずだが、そうなっていない。
このうち、4つ目の論点は諜報機関のスパイ活動に基づいて得られた情報であるが、それ以外は純粋に科学的な根拠に基づく主張である。ホワイトハウスのウェブサイト上では、これらの主張を裏付ける科学的証拠の詳細は示されていなかったが、上述した米下院の報告書へのリンクは掲載されていた。