1997年にアメリカで設立された「内モンゴル人民党」は、設立当初から明確な目標を掲げていた。それは、南モンゴルの独立という確固たる目的である。(中略)
本稿の主目的は、テムチルトの次のような根拠のない歪んだ有害な主張を論破することにある。
すなわち:
・「独立は中国当局に圧力をかけるための手段にすぎない」
・「独立を放棄すれば弾圧はなくなる」
これは明確に否定されねばならない。中国の植民地体制は、南モンゴル人の自由への希求を徹底的に監視・弾圧・抹殺し続けてきたという事実は明白だ。南モンゴル人の政治的独立への追求は、植民地主義下での耐えがたい苦しみに根ざした正当かつ合法的なものであり、国際人道法にも則っている。この点に関しては豊富な資料が存在する。
テムチルトの「独立を放棄すれば弾圧はなくなる」との主張は、根拠がなく危険なまでに甘い幻想だ。
問題の核心はこうだ。
中国政府の南モンゴル支配の本質は、先住モンゴル人の政治的権利と民族的アイデンティティを奪い、資源を搾取することにある。
抗議や抵抗は常にこの植民地的議題に対する反応であり、中国政府は弾圧を正当化する口実を常に見つけてきた。加害者は称賛され、反対者は「国家の敵」とされる。
今日の暴政の根源は、植民地支配の確立、さらに1911年の辛亥革命にまでさかのぼる。これらの暴力的な歴史は忘れられず、現在の政権の性質を形成している。弾圧はその本質を覆い隠す手段である。(中略)
沈黙は安全を保証しない。従順な者すら弾圧される。(中略)
抵抗なくしては、我々のアイデンティティも文化も民族も消滅する。
確かに抵抗にはリスクがある。だが、抵抗をやめれば確実に敗北が待っている。
投獄を覚悟する者もいれば、沈黙を選ぶ者もいる。それを非難してはならない。だが、抵抗する者たちは、その代償を受け入れる覚悟を持たねばならない。
「短期的に実現可能な目標に集中するため、独立の目標は放棄すべき」との主張はばかげている。
目先の改善を目指す人々も、長期的な独立のビジョンを同時に持ち続けることは可能だ。(後略)
ハダは、南モンゴル議連幹事長の山田宏参議院議員、日本保守党の島田洋一衆議院議員、さらに氏名非公表の他2名の国会議員、あわせて4人の日本の国会議員により、今年のノーベル平和賞に推薦された。また、アメリカにおいても、ジェフ・マークリー上院議員とジム・マクガバン下院議員によって、同じく今年のノーベル平和賞に推薦されている。そのことは日本をはじめ世界各地のメディアでも報道された。
ハダは、1995年にスパイ罪で中国に不当に逮捕され、15年の刑期に加えて4年の追加刑期を受け、刑務所からの釈放後も現在に至るまで軟禁下におかれて、家族や支援者との連絡も断続的にしかつかない状況が続いている。最初の不当逮捕から既に30年が経っている。南モンゴルの自由と独立、民族の権利擁護を訴える人々の間で最も尊敬されている不屈の闘士だ。テムチルトが独立の訴えを放棄すると一方的に発表したことに激しく反発したことが文章から強く伝わってくる。
その後、内モンゴル人民党は、同年(2015年)5月、スウェーデンにおいて会議を開催し、スウェーデン在住の亡命活動家ドルギオン・ハトギン氏を第2代代表に選出し、さらに2021年には第3代代表として日本在住の亡命活動家ケレイト・フビスガルトを選出して現在に至っている。
2025年10月、日本で100周年の記念集会を開催
冒頭に紹介した通り、本年2025年は、1925年10月13日に内モンゴル人民革命党が結成されてから100周年の年だ。内モンゴル人民革命党の継承政党である内モンゴル人民党は、今年10月に日本において100周年の記念集会を開催することを既に発表している。
呼びかけ文には次のように記されている。
内モンゴル人民党の名の下にどれほど多くの高潔で献身的な人々が活動したのか、またいくつの支部が戦争や植民地支配の時代に存在したのかを正確に知ることはできません。しかし、私たちはこの100年間、消えることのないたいまつを受け継ぎ続けてきた人々の存在を忘れてはなりません。
内モンゴル人民党はすべての南モンゴル人にとっての政治的遺産であり、誇りであり、民族解放闘争における輝かしいシンボルです。この記念イベントは、中国に対する強力な抗議であると同時に、南モンゴル人の自由への戦いが決して消えることのないことを世界に宣言するものです。