人権弾圧国家・中国との「100年間の独立闘争」|石井英俊

人権弾圧国家・中国との「100年間の独立闘争」|石井英俊

人権弾圧国家・中国と対峙し独立を勝ち取る戦いを行っている南モンゴル。100年におよぶ死闘から日本人が得るべき教訓とは何か。そして今年10月、日本で内モンゴル人民党100周年記念集会が開催される。


歴史的に重要な意味をもつ2025年

世界で中国の支配に苦しんでいる諸民族は、チベット、ウイグル、南モンゴル、香港と様々にある。その中で、実は今年(2025年)は、南モンゴルにとって歴史的に非常に重要な意味を持つ年であることはほとんど知られていない。なぜ今年が重要なのか。結論から言えば、今年は、南モンゴル独立解放運動にとって、その中心組織である内モンゴル人民党の前身、内モンゴル人民革命党が結成されて100周年という歴史的な節目の年なのだ。

「内モンゴル人民党」と言っても、大半の日本人、さらには南モンゴルの支援運動に関わっている日本人も含めて、ほとんどその名前すら聞いたことがないかもしれない。しかし、一度は下記の旗(画像1)を見たことがある人もいるのではないか。青地に、ソヨンボと呼ばれる炎と太陽と月を配したデザインの旗だ。チベットの国旗(雪山獅子旗)、ウイグルの水色に月と星を配した旗(トルコ国旗と色違い)、香港の「光復香港時代革命」の黒地の旗と共に、街頭活動などで日本だけではなく世界中で掲げられている。実は、この南モンゴルの運動の象徴として掲げられている旗は、内モンゴル人民党の党旗なのだ。

チベットはかつて国際的にも承認された独立国家として長く存続してきた歴史があり、元々その国旗として国際的に認められてきたものを今でも掲げている。一方、香港の「光復香港時代革命」(香港を取り戻せ 我々の時代革命だ)の旗は、2019年から2020年にかけて行われた民主化デモの中で生まれたものであり、個別の団体の旗ではない。

それに対して、南モンゴルには、戦前、日本が支援した徳王政権といった独立した政権が各時期に存在し、それぞれに国旗として掲げた旗が存在した。しかし、運動には統一したシンボルが必要だ。そこで南モンゴルの人たちは、中国からの独立、中国による人権弾圧への抗議活動の中で南モンゴルとしてのアイデンティティを示すものとして、内モンゴル人民党の党旗を掲げるようになっていったのだ。このこと一つを取ってみても、南モンゴルの解放運動における内モンゴル人民党の存在がいかに大きなものか理解して頂けるだろう。世界中で内モンゴル人民党の党旗を掲げて南モンゴルの解放運動が行われているのだ。

画像1 内モンゴル人民党旗

各民族旗 2021年2月4日の記者会見動画より

習近平が主張する「歴史的な中国の領土」とは?

関連する投稿


イラン戦争の陰で中国が笑う――台湾有事を呼び込むアメリカの誤算|山岡鉄秀

イラン戦争の陰で中国が笑う――台湾有事を呼び込むアメリカの誤算|山岡鉄秀

米国が中東に足を取られて笑うのは誰か。イラン戦争は日本にとって対岸の火事ではない。米国の消耗は台湾有事を呼び込み、日本の安全保障を直撃する――。 日本に「プランB」はあるのか。


ロ・中・イラン・北朝鮮 悪の枢軸四カ国大混乱|長谷川幸洋【2026年3月号】

ロ・中・イラン・北朝鮮 悪の枢軸四カ国大混乱|長谷川幸洋【2026年3月号】

月刊Hanada2026年3月号に掲載の『ロ・中・イラン・北朝鮮 悪の枢軸四カ国大混乱|長谷川幸洋【2026年3月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


習近平主席の焦りと虚構の「日中紛争」|青山繁晴【2026年2月号】

習近平主席の焦りと虚構の「日中紛争」|青山繁晴【2026年2月号】

月刊Hanada2026年2月号に掲載の『習近平主席の焦りと虚構の「日中紛争」|青山繁晴【2026年2月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


【現代中国残酷物語 拡大版】香港大火災は中国式大人災だ|福島香織【2026年2月号】

【現代中国残酷物語 拡大版】香港大火災は中国式大人災だ|福島香織【2026年2月号】

月刊Hanada2026年2月号に掲載の『【現代中国残酷物語 拡大版】香港大火災は中国式大人災だ|福島香織【2026年2月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


中国軍機レーダー照射事件 三つの問題点|織田邦男【2026年2月号】

中国軍機レーダー照射事件 三つの問題点|織田邦男【2026年2月号】

月刊Hanada2026年2月号に掲載の『中国軍機レーダー照射事件 三つの問題点|織田邦男【2026年2月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


最新の投稿



【読書亡羊】安倍晋三はこうして歴史になっていく  服部龍二『安倍晋三』(中公新書)|梶原麻衣子

【読書亡羊】安倍晋三はこうして歴史になっていく 服部龍二『安倍晋三』(中公新書)|梶原麻衣子

その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


【今週のサンモニ】日本のカーボンニュートラルの最大の敵|藤原かずえ

【今週のサンモニ】日本のカーボンニュートラルの最大の敵|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


【今週のサンモニ】W杯でも非難のための非難を|藤原かずえ

【今週のサンモニ】W杯でも非難のための非難を|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


イラン戦争の陰で中国が笑う――台湾有事を呼び込むアメリカの誤算|山岡鉄秀

イラン戦争の陰で中国が笑う――台湾有事を呼び込むアメリカの誤算|山岡鉄秀

米国が中東に足を取られて笑うのは誰か。イラン戦争は日本にとって対岸の火事ではない。米国の消耗は台湾有事を呼び込み、日本の安全保障を直撃する――。 日本に「プランB」はあるのか。