今年1月11日、共産党の第4回中央委員会総会は「『しんぶん赤旗』発行の危機打開へ、あなたのお力を!」という決議を採択した。「いま、『赤旗』は、読者数の後退、諸経費の増大のため、発行の危機がいよいよ切迫しています。私たちは、この危機を乗り越え、『赤旗』の発行を守るため、読者を100万人にし、『赤旗』支援募金を10億円集めることを決断し、ご協力、ご支援を、みなさんにお願いすること」にしたと言い、「日刊紙は、年間十数億円の赤字であり、日曜版の読者数も後退が続いています」という実情も明らかにしている。
こうした危機から脱却するために10億円の募金を集めるというまさに背水の陣をひいたわけだが、募金するだけの赤旗の魅力をアピールしなければならず、そのために「スクープ」を連発することが余儀なくされているということでもある。
今回の陸自と全葬連の協定の「スクープ」も赤旗宣伝のために、無理やりつくり出したものと言えるだろう。
防衛省・陸自内部に共産党・赤旗に内通し、情報をリークした者がいる
だが一点、気にかかることがある。この協定書は先に述べたように情報公開請求によって誰でも見ることができ、秘密の文書というわけではない。しかし、公開請求するには前もってどのような文書か特定する必要がある。「自衛隊員が殉職した時に関わる文書」というような指定の方法では、今回の全葬連との協定書は出てこない。赤旗は事前に協定書の存在を知っていたからこそ、情報公開請求ができたと言える。防衛省・陸上自衛隊の内部に共産党・赤旗に内通し、情報をリークした者がいるということだ。こちらのほうがよっぽど国民が知るべき重大疑惑のスクープといえるだろう。

1964年、東京都生まれ。共産党本部に勤務後、板橋区議を4期16年務めたが、共産党に除籍される。著書に『日本共産党 暗黒の百年史』(飛鳥新社)https://amzn.to/43k26j4