慰安婦問題を糾弾する「日韓共同シンポジウム」の衝撃|松木國俊

慰安婦問題を糾弾する「日韓共同シンポジウム」の衝撃|松木國俊

日本側の慰安婦問題研究者が、「敵地」とも言うべき韓国に乗り込み、直接韓国の人々に真実を訴えるという、大胆で意欲的な企画が実現した。これまでになかった日韓「慰安婦の嘘」との闘いをシンポジウムの登壇者、松木國俊氏が緊急レポート!


保守政治団体や市民団体も参加「慰安婦問題は明白な国際詐欺」

本シンポジウムは主催者である自由統一ネットワークを始め、韓国の保守系政治団体や市民団体の支援の下に開催されており、これに呼応して日本からも「新しい歴史教科書をつくる会」の呼びかけで「応援団」が結成され、13人が海を越えて会場に詰め掛けている。

シンポジウムの冒頭で韓国側の支援団体を代表して、自由統一党全国女性委員長であり、「全国お母さん部隊」常任代表の朱玉順(チュ・オクスン)氏から、韓国における「慰安婦詐欺」との戦いついての経過報告がなされた。

彼女は14年前から日韓関係の悪化がもたらす韓国の自滅を憂いて「お母さん部隊」を組織し、慰安婦問題で日韓離反を画策する元挺対協(挺身隊問題対策協議会―現在の日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯)代表の尹美香氏と対決してきた。その詐欺性を告発して逆に名誉棄損罪で訴えられ、有罪判決で執行猶予となったこともあるという。だが3年前に志を同じくする九つの市民団体が集まり「慰安婦詐欺清算連帯」を結成。朱氏はその代表となり尹美香と現在も法廷闘争を繰り広げている。

彼女は経過報告の中で、「30年以上も日韓外交を破綻させてきた慰安婦問題は明白な国際詐欺」であると断定している。慰安婦像については「日本への恨みと敵愾心のみを誘発させるとともに、むしろ韓国の過去の恥辱的歴史のみを再確認させるもの」として一刻も早く撤去すべきだと強く主張した。

登壇者の発言概要①西岡力氏「日本から始まった慰安婦問題」

Photo by Kazuyoshi SASAKI

韓国で日本統治時代を知っている世代は慰安婦が性奴隷ではなく戦地で売春業に従事していたことを知っていた。従って戦後の日韓交渉の過程でも韓国側より慰安婦問題は提起されていない。だが1989年に至って『朝日ジャーナル』に「朝鮮と朝鮮人に公式謝罪を百人委員会」なる組織が「日本国は朝鮮と朝鮮人に公式謝罪せよ」という意見広告を連載したことから、慰安婦問題が浮上した。

同委員会のメンバーであった青柳敦子という女性が「太平洋戦争犠牲者遺族会(以下遺族会)」なる韓国側の組織と連絡をとって「原告」となるべき元慰安婦を探し出し、裁判に必要な400万円を出すことを申し出た。これが慰安婦問題の全ての発端であり、その後遺族会は高木健一弁護士や福島瑞穂弁護士らの支援を得て日本で裁判を起こした。訴状には詐話師である吉田清治の「強制連行証言」が長々と引用されていた。

さらに朝日新聞も1991年から1992年にかけて吉田清治の偽証言などを基に「日本軍が女子挺身隊の名で朝鮮人女性を強制連行して慰安婦にした」という事実無根のプロパガンダを内外に拡散させ、慰安婦問題を日韓の外交問題に仕立て上げるための大きな役割を担った。同紙は2014年8月に吉田証言が「嘘」であることを認めたが遅きに失したと言わざるを得ない。

慰安婦問題がここまで大きくなった要因は韓国側にもある。梨花女子大教授尹貞玉氏が、日本人や在日朝鮮人が多数の虚偽を交えて書いた書物を参考にして『「挺身隊」怨念の足跡取材記」を書き、左派系のハンギョレ新聞がこれを1990年1月から連載した。彼女は同年12月に挺対協を結成。日本政府を追及する運動を始めた。

日本でも尹貞玉の動きに呼応して社会党議員が 同年6 月に参議院予算委員会で慰安婦について質問し、慰安婦問題に火をつけている。

日本の虚偽勢力が韓国の虚偽勢力を助けることで慰安婦問題が始まったのだ。

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