米シンクタンクが安倍元首相を「日本の歴史上最も偉大な首相、世界のリーダー」と大激賞!|岡部伸

米シンクタンクが安倍元首相を「日本の歴史上最も偉大な首相、世界のリーダー」と大激賞!|岡部伸

米シンクタンク「ボストン・グローバル・フォーラム」が、安倍晋三元首相を追悼する国際会議を開催、会議を主宰するマイケル・デュカキス元米マサチューセッツ州知事は「世界を平和と安定に導くリーダーシップを発揮した安倍氏を失ったことは大変残念だ」と悼んだ。


それでもBGF会長のデュカキス元知事は安倍元首相への警戒が強かった。同年12月にBGFで「平和と世界の安全のための指導者賞」の第一回受賞者候補に安倍元首相の名前があがった際、「政治的立場が異なる」と賛成を留保。

そこでBGFの共同創設者のトゥアン氏がベトナム人の立場からアジアの現状を説明した。

「安倍元首相が太平洋、とりわけ尖閣諸島を含む東シナ海、南シナ海の平和と安全の維持に重要な役割を果たし、日本はアジアの平和に多大な貢献をしている」

その事実を知りデュカキス元知事の安倍元首相への評価は変わった。

南沙諸島での人工島建設や西沙諸島での地対空ミサイル配備など目覚ましい経済発展に伴い軍事力を拡大させた中国の強硬な海洋進出に伴い、東シナ海と南シナ海で緊張が高まったことも大きかった。
中国が世界秩序を乱す覇権的な行動を繰り返すにつれ、対抗する地球的規模の指導者として安倍元首相への敬意が高まったという。

国際協調主義に基づく「積極的平和主義」による外交、安保政策の評価が高まり、安倍元首相が提唱する外交構想「自由で開かれたインド太平洋」構想がトランプ、バイデン両政権の共鳴を呼び、米国の主要政策として採用された。主権国家が他国の政策を採用するのは極めて異例である。これ以降、この構想が世界各国に広がった。

こうして米国では安倍元首相は「日本の歴史上、最も偉大な首相と認識される」(トランプ前大統領)との評価が固まった。

「安倍晋三平和安全保障イニシアチブ」を創設

Getty logo

昨年7月8日、安倍元首相が奈良で非業の死を遂げると、トゥアン氏は、デュカキス元知事らと協議してBGFが「〝親しい友人〟安倍氏の遺産である世界平和と安全への貢献を称え、その使命を続けよう」と「安倍晋三平和安全保障イニシアチブ」を創設、これを軸に世界中のリーダーや専門家との連携を促進して、安倍元首相の遺産を引き継いでいくことを決めたのだった。

昨年11月には、「世界における日本の平和と安全保障」を題材にオンライン国際会議を開催し、世界に広がった「自由で開かれたインド太平洋」構想など外交・安全保障の功績を再確認したのに続いて、4月5日、安倍元首相をグローバルな啓蒙リーダーとして称え、「人工知能(AI)、デジタル、データが重要な役割を果たすグローバル啓蒙時代の日本経済を偉大に」をテーマに2回目の国際会議を開催した。

経済をテーマに選んだ理由をトゥアン氏はこう説明した。

「台頭する中国を抑えるには、米国、日本、インド、欧州など西側民主主義国家が強さを維持して対抗する必要がある。そのためには日本の経済的成功が極めて重要。デジタルやデータが中心となる時代、世界経済における日本の優位性を支えるには、安倍元首相の遺志を継ぎ、アベノミクスを維持・継続することが不可欠だと考えたからだ」

米国にとって現状変更を試みる中国を抑止するには日本経済の再生が欠かせない。とりわけAIなどの次世代技術や5G(第五世代移動通信システム)などのデジタル分野で中国が世界をリードし、情報通信を通じて浸透することへの警戒感が強いことが背景にある。

民主主義先進国の手本となる人物、世界を主導する真のリーダー

関連する投稿


人権弾圧国家・中国との「100年間の独立闘争」

人権弾圧国家・中国との「100年間の独立闘争」

人権弾圧国家・中国と対峙し独立を勝ち取った南モンゴル。100年におよぶ死闘から日本人が得るべき教訓とは何か。そして今年10月、日本で内モンゴル人民党100周年記念集会が開催される。


終戦80年に思うこと「私は『南京事件』との呼称も使わない」|和田政宗

終戦80年に思うこと「私は『南京事件』との呼称も使わない」|和田政宗

戦後80年にあたり、自虐史観に基づいた“日本は加害者である”との番組や報道が各メディアでは繰り広げられている。東京裁判や“南京大虐殺”肯定派は、おびただしい数の南京市民が日本軍に虐殺されたと言う。しかし、南京戦において日本軍は意図的に住民を殺害したとの記述は公文書に存在しない――。


安倍さんの底知れなさ|小川榮太郎【2025年8月号】

安倍さんの底知れなさ|小川榮太郎【2025年8月号】

月刊Hanada2025年8月号に掲載の『安倍さんの底知れなさ|小川榮太郎【2025年8月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


【安倍ログ】安倍さんには狂気があった|阿比留瑠比【2025年8月号】

【安倍ログ】安倍さんには狂気があった|阿比留瑠比【2025年8月号】

月刊Hanada2025年8月号に掲載の『【安倍ログ】安倍さんには狂気があった|阿比留瑠比【2025年8月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


旧安倍派の元議員が語る、イランがホルムズ海峡を封鎖できない理由|小笠原理恵

旧安倍派の元議員が語る、イランがホルムズ海峡を封鎖できない理由|小笠原理恵

イランとイスラエルは停戦合意をしたが、ホルムズ海峡封鎖という「最悪のシナリオ」は今後も残り続けるのだろうか。元衆議院議員の長尾たかし氏は次のような見解を示している。「イランはホルムズ海峡の封鎖ができない」。なぜなのか。


最新の投稿


人権弾圧国家・中国との「100年間の独立闘争」

人権弾圧国家・中国との「100年間の独立闘争」

人権弾圧国家・中国と対峙し独立を勝ち取った南モンゴル。100年におよぶ死闘から日本人が得るべき教訓とは何か。そして今年10月、日本で内モンゴル人民党100周年記念集会が開催される。


異形の権力、石破政権の最期|青山繁晴【2025年10月号】

異形の権力、石破政権の最期|青山繁晴【2025年10月号】

月刊Hanada2025年10月号に掲載の『異形の権力、石破政権の最期|青山繁晴【2025年10月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


「住む場所も収入も失った。自殺するしかない」 成年後見制度の報じられない地獄|長谷川学

「住む場所も収入も失った。自殺するしかない」 成年後見制度の報じられない地獄|長谷川学

成年後見制度の実態が国民にほとんど知らされていないのはなぜなのか? 制度を利用したばかりに民主主義国家にあるまじき凄まじい人権侵害を受け、苦しんでいる人が大勢いる。法制審議会は成年後見制度の見直しに向けた議論を行っており、今年6月10日に見直しに関する中間試案を公表したが――。


【常識保守のすすめ】〝安倍依存症〟から脱却するために|片山さつき×小川榮太郎【2025年10月号】

【常識保守のすすめ】〝安倍依存症〟から脱却するために|片山さつき×小川榮太郎【2025年10月号】

月刊Hanada2025年10月号に掲載の『【常識保守のすすめ】〝安倍依存症〟から脱却するために|片山さつき×小川榮太郎【2025年10月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


【今週のサンモニ】「再エネありき」「反原発ありき」の時代は終わった|藤原かずえ

【今週のサンモニ】「再エネありき」「反原発ありき」の時代は終わった|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。