官邸のホームページには、国家安全保障会議のセクションがあり、そこにはこれまでに開催された全ての国家安全保障会議が列挙されている。
今年の開催リストを見ると、7月25日に定例の会議を開催して以降、内閣改造後の8月12日まで2週間以上会議が開催されていないことがわかる。
この間、ペロシ議長の訪台を巡って米中関係が極端に悪化しており、普通に考えれば緊急会合が何回も招集されてもおかしくない状況だった。
8月4日には中国が7発の弾道ミサイルによって日本の国土と領海、そしてそこで生活し漁業を営む多くの日本人の安全を直接的に脅かしたにもかかわらず、岸田首相は国家安全保障会議を招集しなかったのだ。
中国こそ日本の最大の脅威
北朝鮮の保有する核弾頭は20〜45発程度と見られているのに対して、中国は200〜350発と10倍の規模だ。さらにアメリカの国防総省は、中国が2030年までに1000発まで増やすという報告書を昨年秋にまとめている。
弾道ミサイルについては、北朝鮮の日本をターゲットとした弾道ミサイルの配備数は320基程度と見られているのに対して、中国は中距離弾道ミサイル約300発、短距離弾道ミサイル約1150発、巡航ミサイル3000発程度を保有していて、このうち少なくとも1300基以上が日本を射程に収めるものと見られている。
また、中国は日本を専門に狙うミサイル基地を少なくとも3か所に完成している。