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慰安婦像問題 なぜ日本は負け続けるのか 山岡鉄秀

 ――なぜ、韓国のみならず、世界中に日本の慰安婦制度に関する碑や像が立ってしまうのか。大阪市が姉妹都市交流を解消したサンフランシスコ市の事例から、日本側が抱える根本的な問題に迫る――

■慰安婦碑設置見直しの決議に自民が反対?

〈「私たちが最も恐れることは、第二次大戦中に私たちが経験した苦しみが忘れ去られることです」

──かつての「慰安婦」

この記念碑は、婉曲的表現で「慰安婦」と呼ばれる、実際には1931年から1945年までアジア太平洋の13カ国において日本帝国陸軍の性奴隷であった数十万の女性や少女の苦しみを証言するものです。

性奴隷にされた女性や少女たちのほとんどが捕らわれの身のまま亡くなりました。この陰惨な歴史は、1990年代に生存者が勇気を持って声を上げるまで数十年間も隠しとおされてきました。生存者たちの行動は、性暴力は政府が責任を取るべき人道に対する罪であることを世界が断言するための後押しとなっています。この記念碑は性奴隷であった女性たちに捧げるためのものであり、現在でも続く世界中の性暴力や人身売買の撲滅運動を支持するためのものです。

「慰安婦」問題解決のための連合よりサンフランシスコ市への寄贈〉



2017年11月22日、サンフランシスコのエドウィン・リー市長は、このような碑文が添えられた慰安婦像を市の公共物として認める書面に署名をした。これは、サンフランシスコ市が公式に碑文の内容を支持したことになる。これを受けて、吉村洋文大阪市長は、同年11月30日、姉妹都市関係解消の意向を示した。


これに先立ち、大阪維新の会は大阪市議会において、公共の場への慰安婦像と碑を設置する計画を見直すよう求める決議案を2度にわたって提出したが、いずれも自民・公明の反対に遭って否決された。ネット上には、「大阪自民はいったいなにをやっているのか? こんなことだから維新に負け続けるのだ」という意見が頻出した。

一方、大阪自民からは「あれは維新の独善的な人気取りパフォーマンスにすぎず、むしろ事態を悪化させた」という反論が出され、筆者の耳にも届いた。そこで筆者は、大阪市議会の議事録、橋下前市長と吉村市長がリー市長に送った書簡、およびリー市長からの返答を入手し、内容を吟味することとした。

はたして、どちらの言い分に理があるのだろうか?

■否決された決議案

まず、大阪維新の会が議会に提出した決議案の内容を見てみよう。下記に要旨を抜粋する。最初の提出は平成29年5月26日。サンフランシスコ市では、すでに前述の碑文案が最終決議されていた。

〈慰安婦問題に関しては、2015年12月に日韓両政府において、日本が多数の女性の名誉と尊厳を傷つけたとして責任を表明し、この問題を最終的かつ不可逆的に解決すること、そして今後国際社会において互いに非難・批判することを控えることで合意をしたところである。サンフランシスコ市における慰安婦像及び碑文の設置の動きは、本市にとってこの合意の精神を傷つけるものであると言わざるを得ず、姉妹都市の議会として看過できない〉

〈現行の計画のまま慰安婦像が公共の公園に設置されることになれば、日本人及び日系人が多く住むサンフランシスコ市にとってもコミュニティー分断の原因にもなりかねず、将来的な両市の交流、日米関係にも悪影響を及ぼすのではないかと懸念される〉

〈よって本市会は、サンフランシスコ市が、市の意思として公共の場所に現計画のまま慰安婦像及び碑を設置することについて、再検討されるよう強く求めるものである〉

一読して、この決議は私が「日本外交の自爆」と一貫して批判している日韓合意を引用している点と、のちに論ずるように、舌足らずで説得力に欠ける点において不満だが、コミュニティーの分断に対する懸念を表明しており、無礼(offensive)なものではない。

次に、大阪維新の会の岡崎太議員の賛成討論から抜粋する。日付は平成29年5月26日。

〈サンフランシスコ市に設置予定とされる慰安婦像の碑文は日韓合意を傷つけかねないものです。不確かで一方的な主張がそのまま碑文に記され公共の場に設置されることになれば、世界の多くの人々がそれを事実として誤認してしまう可能性も懸念されます〉

〈議会としても決議案の議決という形で明確に意思を表明することこそが、市民の信頼にこたえる議会の責任ではないでしょうか〉

■大阪自民は何をしたのか

一方、自由民主党市民クラブの森山よしひさ議員は、以下のような反対討論を行った(要旨抜粋)。

〈そもそも、姉妹都市であるサンフランシスコ市と本市の間では、2013年、橋下前市長の『慰安婦制度が必要だったということは誰にでもわかる』とする発言によりサンフランシスコ市訪問が中止になり、また、サンフランシスコ市において、慰安婦制度を正当化する態度と発言を強く非難するとの決議を全会一致で採択された経緯があります。

相手との関係をわざわざ悪化させる手法をとっておられることも大変残念であります。決議という手法ではなく、政府の動向を注視し政府との緊密な連携をとりながら慎重に対話を重ねていくことが、姉妹都市間の今後一層の関係発展に寄与するとともに、問題解決の一歩につながる手法ではないでしょうか〉

たしかに、政府の動向を注視し、緊密な連携をとりながら事を進めていくことは重要だ。筆者自身、言論の世界では外務省の姿勢を批判しているが、実戦の現場では外務省の努力を相殺せず、いかに官民の動きを車の両輪のように回してシナジー効果をもたらすかに腐心している。

コーディネーションを考えずに民間が突進することで、かえって状況を悪くしてしまうことはあり得る。これはもちろん、自治体と政府の関係にも当てはまることだ。サンフランシスコ側が橋下前市長に強い反発を持ったことは事実だろう。しかし、それを理解したうえで、森山議員にお尋ねしたい。

橋下前市長の発言が物議を醸したのは2013年で、決議案が提出されたのは2017年と4年が経過しており、この時点でサンフランシスコ市議会は、すでに上記碑文案を全会一致で可決している。

この状況下において、森山議員は「議会としての対話の機会がある」「政府の動向を注視し政府との緊密な連携をとりながら慎重に対話を重ねていく」と言っているが、大阪自民党として具体的にどのように対話をしたのか、ぜひ聞かせていただきたい。

公開書簡の手法を批判するのであれば、それ以上に効果的な手法を実践すべきだが、具体的には何をしたのだろうか?

■放置は得策ではない

ちなみに他の資料によると、大阪自民党は以下のロジックで橋下前市長と大阪市を非難し、決議案に反対した理由としている。

●自民党は早くから慰安婦像が建つとの情報をキャッチして、外務省と協業してサンフランシスコ市長や市議会議員と接触した。

●「慰安婦問題は日本と韓国との間の外交問題であり、地方自治体がかかわる問題ではないので、慰安婦像の建立には賛成しないでほしい」と説明し、大体の賛同を得ていた。

●こうした水面下の努力を知らない橋下前市長より、サンフランシスコ市に書簡が届き、「地方自治体が外交問題に口出しすべきではない」と主張してきた従来の日本政府の対応と矛盾するということで、サンフランシスコ市側は困惑したが、市長と議長は橋下書簡を表に出さずに保留した。

●しかし大阪市は「サンフランシスコ市が橋下市長の手紙を無視している」と問題視し、騒ぎ立てたため、自民党と外務省が水面下で行っていたロビー活動は失敗に終わり、サンフランシスコ市議会は慰安婦像建立推進へと動き始めた。

つまり、橋下前市長と大阪市の暴走により、自民党と外務省の努力が水泡に帰したという非難である。

ここでの議論のポイントのひとつに、政府の専権事項である外交問題に地方自治体が介入することの是非がある。日本政府がサンフランシスコ市議会に対して「国家間の外交マターだから、地方自治体が関与するのはやめてください」と説得している最中に、姉妹都市の大阪市が公開書簡を送りつけるのはまずいのではないか、という議論である。

サンフランシスコ市議会が先に慰安婦像建立の決議をしているのだから、大阪市には姉妹都市として「外交問題に関与するのは止めませんか? 都市間の友好関係を優先すべきではないですか?」と意見する権利はもちろんあるし、そうすべきである。ただ、タイミングが重要だから、政府とよく協議したうえで行うべきである。橋下前市長が、政府と協議したうえで行動を起こしたかには疑問が残る。

そのうえで、大阪自民にお尋ねする。橋下前市長の手紙をサンフランシスコ市長が保留した時点で、なぜ橋下前市長に水面下の努力について説明して、協力を求めなかったのか? 放置すればエスカレートするに決まっている。党が違うだけで、その程度の擦り合わせもできないのだろうか? それとも、橋下前市長に無視されたのか? 

いずれにせよ、当該決議案は自民党・公明党の反対により否決された。

■譲歩しても何の意味もない

さて、事態はまったく好転しないままに4カ月が経過し、2017年9月19日にはサンフランシスコ市議会において、慰安婦像および碑の設置日である2017年9月22日を「慰安婦の日」に制定する決議案が可決され、9月22日には予定どおり、サンフランシスコ市の公有地となる予定であるセントメリーズ公園の展示スペースに慰安婦像と碑が設置されてしまった。

この事態を受けて、大阪維新の会は9月27日、再度同様の決議案を議会に提出する。

高見亮大阪維新の会議員の賛成討論を見てみる(要旨抜粋)。

〈二元代表制の一翼を担う議会としての意思表明がなければ、サンフランシスコ市としても本市の意図を曲解する余地が出てしまいかねません。現にサンフランシスコ市議会は、慰安婦に対する認識を明確に決議案という形で表明されております。

その一方で、残念なことではございますが、本市においては本年五月に慰安婦像の設置の再検討を求める決議案が議会で否決され、議会としての意思を表明することがいまだできておりません。

むしろこの否決された事実を見て、結果として、サンフランシスコ市に対し本市の議会は慰安婦像を容認しているかもしれないといった、本市市民が全く思ってもいない誤ったメッセージをおくってしまっているかもしれないと考えると、余りにも事は深刻であり、議会人としてじくじたる思いであります〉

次に、自由民主党市民クラブの有本純子議員の反対討論を見る(要旨抜粋)。

〈慰安婦問題は国会の専権事項である外交問題であり、一昨年の12月に日韓両国政府がこの問題を最終的かつ不可逆的に解決すること、さらに今後国際社会において互いに非難・批判することを控えることで合意しており、現在も引き続き日韓両国政府が努力している最中にあります。そのような国の動きとは別に我々地方議会が先頭を切ってこのような決議を行い、都市間交流や友好関係を混乱に陥れる必要があるのか、全く理解できません。

2013年6月18日にサンフランシスコ市議会が、1930年代から第二次世界大戦にかけての日本の占領下にあったアジア諸国において日本が行った性奴隷制度が軍事的に必要なものであり、日本政府によりみずからの意思に反し強要されて性奴隷になった証拠はないとした橋下市長の最近の一連の発言を非難する決議をされたことが事の始まりです。

そもそもはサンフランシスコ市議会と政治家橋下徹との間の問題であり、大阪市とサンフランシスコ市の問題ではありませんし、大阪市会とサンフランシスコ市議会との問題でもありません。そのことを抜きにした吉村市長の発言と今回のような決議案を出された維新の無責任さを感じます〉

かくして決議案は、自民党、公明党、共産党などの反対多数によって再び否決された。

それにしても、慰安婦像と碑が建てられ、「慰安婦の日」まで制定されてしまう事態に陥ってから「これはあくまでも橋下徹とサンフランシスコ市との関係で、大阪市は関係ない」と主張する有本議員の発言には驚かされる。

2013年の橋下前市長の発言から、すでに4年の歳月を経ているのだ。市長も代わり、最悪の事態を迎えている。繰り返し尋ねるが、大阪自民はこれまで具体的にどのような努力をしたのか? 対話のために議員団を派遣したのか? ぜひ、有本議員にご教示願いたい。

議事録には出てこないのだが、実は大阪自民にはもうひとつ大きな反対理由があったことが文書で明らかにされている。それはトランプ大統領の来日だ。以下、引用する。

〈安倍総理が北朝鮮問題に対峙するにあたり、アメリカとの関係をより強固にしようとしているこの時期に、サンフランシスコと大阪という日米の第二都市同士が姉妹都市を解消するなどという決議をしたら、来日するトランプ大統領の顔に泥を塗ることになり、結果、政府が進める日米関係の強化に大きな汚点を残すことになる〉

残念ながら、アメリカ人はそのように考えない。そもそも、サンフランシスコ市は不法移民の摘発も許されないサンクチュアリシティで、反トランプの急先鋒だ。トランプの顔など頓着しない。

さらに、いまや中国の自治区化が顕著で、上記のようなトンデモ碑文が全会一致で可決されてしまう土地柄だ。地方分権が明確なアメリカは、連邦と州の峻別がはっきりしている。

アメリカとの関係強化は連邦政府との関係で決まる。大阪市は自治体の立場でサンフランシスコ市と相対せばいいのであって、国政を慮って一方的に譲歩しても、何の得点にもならないのが現実だ。

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■橋下前市長は何と言ったか

大阪維新と大阪自民のどちらに理があるかは各読者の判断に委ゆだねるとして、ここで諸悪の根源と非難されている橋下前市長がサンフランシスコ市議会宛てに2015年8月27日付で送った公開書簡の内容を検証してみよう。

自民党議員が一貫して問題にしている2013年の発言から2年が経過している。全8ページにわたる長文だが、趣旨は下記の抜粋に要約されると考える。

〈21世紀の今日、女性の尊厳と人権は、世界各国が共有する普遍的価値のひとつとして、確固たる位置を得るに至っています。これは、人類が達成した大きな進歩であります。

しかし、現実の世界において、兵士による女性の尊厳の蹂躙が根絶されたわけではありません。女性の尊厳と人権を守るための活動については大いに取り組むべきで、基本的に賛成です。

ただし、女性の人権問題への取り組みが目的というのなら、そのための記念碑は、旧日本軍によって利用された慰安婦だけではなく、『世界各国の軍』によって、戦場において性の対象とされてきた全ての女性に対するそうした行為のすべてを二度と許さないと、世界に向けて宣言するものでなければなりません〉

かなり思いのこもった情熱的な書簡で、上記の「趣旨」が繰り返される他、以下のポイントが含まれている。

●韓国は条約で解決済みの問題を蒸し返しており、国際法違反。

●慰安婦問題はジェノサイドのような時効がなく、条約で解決できない特異事項ではない。

●クマラスワミ報告の問題点、吉田清治の虚言と朝日新聞の誤報。

●日本に法的責任があると言うなら、世界各国も同様のはずだ。

●碑文に間違った事実が刻まれるのは看過できない。

●日本はアジア女性基金を通じて誠実な対応をしてきた。

●コミュニティーの分断を懸念している。日系人への配慮を求める。

慰安婦問題を網羅した長文だが無礼(offensive)な印象は受けない。2013年の反省があるのかもしれない。

■「慰安婦制度」を説明できますか?

しかし、橋下前市長は書簡で次のように述べている。

〈第二次世界大戦前から大戦中にかけて、日本兵が『慰安婦』を利用したことは、女性の尊厳と人権を蹂躙する、決して許されないものであることはいうまでもありません。

本人の意に反して、戦地で慰安婦として働かされた方々が蒙った苦痛、そして深く傷つけられたお気持ちは、筆舌につくしがたいものであることを私は認識しています。

ですから、私は、いかなる意味でも、慰安婦の問題を正当化する議論には与してきませんでしたし、これからも与しません。日本は過去の過ちを真摯に反省し、慰安婦の方々には誠実な謝罪とお詫びを行うとともに、未来においてこのような悲劇を二度と繰り返さない決意をしなければなりません〉

このように書いてしまうと、たとえその意図が「反省と誠意あるお詫び」を強調するものであっても、慰安婦制度が碑文に記されているような「強制連行と性奴隷化」を伴う残酷な制度であったと告白しているのに等しい。

このあとに、「ただし日本の事例のみをとりあげることによる矮小化は、世界各国の問題解決につながらない」と続けても、言い訳がましく聞こえてしまうのである。

そもそも橋下前市長は、慰安婦制度とはどのような制度だったと考えているのか? あとに続く詳細な反証を見ると、「強制連行による数十万人の性奴隷化」だとは考えていないはずだが、では慰安婦制度とはいったい何だったのかという議論の前提となる定義が抜けているせいで、熱意ある議論が竜骨のない船のような構造になってしまっている。

これは日本政府もまったく同じなのだが、慰安婦制度を「女性の尊厳と人権を蹂躙したもの」と漠然と定義してしまっている。そのように定義してしまったら、相手の非難を全て受け入れたように聞こえてしまい、その後の議論を自ら無力化してしまうのである。

人間関係重視の平和社会に住む日本人は、本能的に「誠意ある謝罪」から入り、まず信頼関係を構築してから議論しようとする。その結果、国際的には理解不能な自己矛盾をきたしてしまう。

国際社会では、謝ったらそこで議論は終わるのだ。始まるのではない。

■繰り返される敗北パターン

外務官僚から弁護士まで無意識的にこのパターンを繰り返す姿を見て、歴史戦とは同時に文化戦であることを思い知らされる。

女性への深い同情を示すことは重要で大前提ではある。しかし同時に、「そもそも慰安婦制度とは何であったか、なぜ法的責任を負うものではないのか、にもかかわらず、なぜ謝罪して補償したのか」という基本事項に関する立論を、一次資料に基づいて淡々と行うことが肝要だ。

それは静かでドライな表現でよい。適切な英語に訳すことが困難な情緒的で曖昧な表現は有害無益でしかない。立論は「言って気持ちがいいことを言う」のとは違う。チャレンジでもない。相手の考えとは無関係に、自らの立ち位置を明確にすることにほかならない。それは緻密かつ明快で、誤解を生む余地を残さないものである必要がある。

立論のない反論は、ハンドルのない車のようなものだ。目的地に辿り着けない。だから反論よりも立論が大切なのだ。この基本的なことをやらないから、韓国に行ったオバマ前大統領に「何が起きたのか、正確で明快な説明が必要だ」と言われてしまったのだ。弁護士である橋下前市長と吉村市長には、どうか理解していただきたい。

その後、2回にわたって、橋下前市長はリー市長個人宛に公開書簡を送付する。しかし、返事がくることはなかった。

2017年に入り、後任の吉村市長からリー市長に、内容を簡潔にした公開書簡が送られる。リー市長は即座に返答し、二人の交信が始まる。残念ながら、リー市長の姿勢は彼の次の一言に尽きる。

「公選の職にある者として、たとえ批判に晒されることがあろうとも、地域に対して応えていくことが私の責務である」

リー市長は、最後には自ら進んで像と碑を公共物として受け入れる署名をした(リー市長は2017年12月12日に心臓発作で急逝)。人々が道理で動くなら、慰安婦像は建たない。だから公開書簡というものは、常に第三者の目にどう映るかを最大限意識して、受領者を説得すること以上に、国際世論を味方につける目的で書かれなければならない。それが公開することの目的だ。

■慰安婦像の真の目的

姉妹都市関係を解消すれば、中国や韓国の思う壺だという人がいる。たしかに、分断工作の成功ともいえる。しかし、朝日新聞が主張するような「地道な草の根の交流」で事態が好転することはない。状況を受け入れたと解釈されるだけだ。

慰安婦像を建てたうえでも、大阪市が税金で交流を促進してくれたらこれほど美味しいことはない。日本の観光客にお金を落とさせながら、像と碑を使って反日教育を推進し、若い反日世代を創り出す。これが真の目的だ。

サンフランシスコ市議会が何年も前から決議を重ねてきたのに対し、大阪市議会はついに一度も意思表明をすることなく終わった。国と連携を取ることは必須だが、何もしなければそれは不作為だ。サンフランシスコの像と虚偽の碑文は反日教育に利用され、現地の日系子女の肩に重くのしかかってくるだろう。

筆者はそのことを深く憂いている。

 

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著者略歴

  1. 山岡鉄秀

    AJCN Inc.代表・公益財団法人モラロジー研究所研究員 1965年、東京都生まれ。中央大学卒業後、シドニー大学大学院、ニューサウスウェールズ大学大学院修士課程修了。2014年、豪州ストラスフィールド市において、中韓反日団体が仕掛ける慰安婦像設置計画に遭遇。子供を持つ母親ら現地日系人を率いてAJCNを結成。「コミュニティの平和と融和の大切さ」を説いて非日系住民の支持を広げ、圧倒的劣勢を挽回。2015年8月、同市での「慰安婦像設置」阻止に成功した。著書に、国連の欺瞞と朝日の英字新聞など英語宣伝戦の陥穽を追及した『日本よ、もう謝るな!』(飛鳥新社)

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