「プーチンの戦争」真の動機とバイデンの悪辣|山岡鉄秀

「プーチンの戦争」真の動機とバイデンの悪辣|山岡鉄秀

なぜ全世界を敵に回してまでプーチンはウクライナ全面侵攻を決意したのか。プーチン大統領の真の動機と、バイデン大統領(民主党政権)に追随し、利用され、棄てられたウクライナの悲劇に迫る!山岡鉄秀氏の「有料メルマガ記事(2月28日発行)」を特別公開!


民主党政権に利用され棄てられたウクライナ

Getty logo

2021年9月には、大統領となったバイデンの下で、ウクライナはNATOを中心とした大規模軍事演習に参加し、10月には対戦車ミサイルシステム(ジャベリン)を180基配備しました。

これでは、ロシアから見たらウクライナは完全にアメリカ(民主党)の手先であり、安全保障上の脅威として認識されてしまいます。

そして、いよいよ緊張が高まり、ロシアのウクライナへの軍事侵攻が現実的になると、バイデンは「ウクライナへ米軍を派遣してロシアと戦うことはない」と何度も明言し、プーチンに軍事的に戦う意思はないとシグナルを送りながら、高騰した天然ガスをヨーロッパに売り込みます。まるでウクライナを餌にプーチンを戦争に誘っているかのようです。

つまり、プーチンが主張するウクライナの非武装化と中立化とは、単にウクライナのNATO加盟を阻止するだけではなく、アメリカの先兵と化してアンチロシアで利用されるウクライナの政権を叩き潰すという意味があったのです。

これらの点を勘案して、やっとプーチンの論理の飛躍、すなわち、東部共和国の実効支配と平和維持から全面侵攻への飛躍が説明できるのです。

もちろん、だからといって、騙し討ちのような全面侵攻はあからさまな侵略行為であり、肯定できるものではありません。あまりにも無謀だと言えるでしょう。無謀過ぎて、プーチンパーキンソン病説が流れるほどです。

しかし、過去何百年にも渡って他国による支配を受けて来たウクライナは、緩衝地帯国家という特殊な立場に居ながら、地理的に遠く離れた悪辣なアメリカ民主党政権に追随し、利用され、あれほど便宜を図ったにも拘らず、梯子を外されて棄てられ、ロシアに蹂躙される羽目に陥ったのです。

言い換えれば、自らの安全保障をアメリカ民主党政権に委ねる賭けに出て、大失敗に終わったということです。

アメリカに安全保障を依存する日本は、このウクライナの悲劇に大至急学ばなければ、明日は我が身となることでしょう。

(2月28日発行 有料メルマガ「山岡鉄秀の対外情報戦で勝ち抜けろ!」

月刊『Hanada』2022年4月号

vs.中国― 第三次世界大戦は、すでに始まっている!

関連する投稿


進化する自衛隊隊舎 千僧駐屯地に行ってみた!|小笠原理恵

進化する自衛隊隊舎 千僧駐屯地に行ってみた!|小笠原理恵

かつての自衛隊員の隊舎といえば、和式トイレに扇風機、プライバシーに配慮がない部屋配置といった「昭和スタイル」の名残が色濃く残っていた。だが今、そのイメージは大きく変わろうとしている。兵庫県伊丹市にある千僧駐屯地(せんぞちゅうとんち)を取材した。


人権弾圧国家・中国との「100年間の独立闘争」|石井英俊

人権弾圧国家・中国との「100年間の独立闘争」|石井英俊

人権弾圧国家・中国と対峙し独立を勝ち取る戦いを行っている南モンゴル。100年におよぶ死闘から日本人が得るべき教訓とは何か。そして今年10月、日本で内モンゴル人民党100周年記念集会が開催される。


変わりつつある自衛官の処遇改善 千僧駐屯地に行ってみた!|小笠原理恵

変わりつつある自衛官の処遇改善 千僧駐屯地に行ってみた!|小笠原理恵

自衛隊員の職務の性質上、身体的・精神的なストレスは非常に大きい。こうしたなかで、しっかりと休息できる環境が整っていなければ、有事や災害時に本来の力を発揮することは難しい。今回は変わりつつある現場を取材した。


終戦80年に思うこと「私は『南京事件』との呼称も使わない」|和田政宗

終戦80年に思うこと「私は『南京事件』との呼称も使わない」|和田政宗

戦後80年にあたり、自虐史観に基づいた“日本は加害者である”との番組や報道が各メディアでは繰り広げられている。東京裁判や“南京大虐殺”肯定派は、おびただしい数の南京市民が日本軍に虐殺されたと言う。しかし、南京戦において日本軍は意図的に住民を殺害したとの記述は公文書に存在しない――。


旧安倍派の元議員が語る、イランがホルムズ海峡を封鎖できない理由|小笠原理恵

旧安倍派の元議員が語る、イランがホルムズ海峡を封鎖できない理由|小笠原理恵

イランとイスラエルは停戦合意をしたが、ホルムズ海峡封鎖という「最悪のシナリオ」は今後も残り続けるのだろうか。元衆議院議員の長尾たかし氏は次のような見解を示している。「イランはホルムズ海峡の封鎖ができない」。なぜなのか。


最新の投稿


【独占手記】我、かく戦えり|杉田水脈【2025年10月号】

【独占手記】我、かく戦えり|杉田水脈【2025年10月号】

月刊Hanada2025年10月号に掲載の『【独占手記】我、かく戦えり|杉田水脈【2025年10月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


【読書亡羊】ウクライナの奮闘が台湾を救う理由とは  謝長廷『台湾「駐日大使」秘話』(産経新聞出版)|梶原麻衣子

【読書亡羊】ウクライナの奮闘が台湾を救う理由とは 謝長廷『台湾「駐日大使」秘話』(産経新聞出版)|梶原麻衣子

その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


TBS報道特集の「差別報道」|藤原かずえ【2025年10月号】

TBS報道特集の「差別報道」|藤原かずえ【2025年10月号】

月刊Hanada2025年10月号に掲載の『TBS報道特集の「差別報道」|藤原かずえ【2025年10月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


悲劇の空母「飛龍」の無念|上垣外憲一【2025年10月号】

悲劇の空母「飛龍」の無念|上垣外憲一【2025年10月号】

月刊Hanada2025年10月号に掲載の『悲劇の空母「飛龍」の無念|上垣外憲一【2025年10月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


【今週のサンモニ】「再エネ教」の信者の集会|藤原かずえ

【今週のサンモニ】「再エネ教」の信者の集会|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。