中国から亡命した人々は時々、中共が統治する中国を民主主義がない北韓にあてこすり「西韓(West Korea)」と呼ぶ事がある。中共は安心して暮らす全ての権利を威嚇する。チベット人とウイグル人、法輪功修練者、香港民主化活動家を始めとする多くの人々が中共の抑圧に苦しみながら、果てしない恐怖の中で生きている。政府と大学、企業経営者は、北京の怒りを買って経済的報復を受けるのではないかと恐れている。こうした恐れは伝染性が強く致命的だ。その対価として、経済的安定を確保できるといっても、それは絶対に治癒できない苦しみである。
クライブ・ハミルトン
2021年
(翻訳/黄哲秀)(ハミルトン教授および版元のセジョン書籍の許可を得て掲載)
オーストラリアの作家・批評家。著作に『目に見えぬ侵略:中国のオーストラリア支配計画』(Silent Invasion: China’s Influence in Australia)『成長への固執』(Growth Fetish)、『反論への抑圧』(Silencing Dissent:サラ・マディソンとの共著)、そして『我々は何を求めているのか:オーストラリアにおけるデモの歴史』(What Do We Want: The Story of Protest in Australia)などがある。14年間にわたって自身の創設したオーストラリア研究所の所長を務め、キャンベラのチャールズ・スタート大学で公共倫理学部の教授を務めている。