中国の「台湾侵攻」は、即、「米中戦争」となるのは間違いない(ここでは「米中核戦争」については、両国が“共倒れ”になるので捨象する)。また、中国による「台湾海峡封鎖」も、やはり「米中戦争」となるだろう。なぜなら、基本的に、台湾は米国の「準州」と同じ “ステイタス”(地位)だからである。
1979年元旦、米国は、中国と国交を樹立した(1955年3月に発効した「米華相互防衛条約」は同年末まで有効)。そこで、米国は「台湾関係法」(1979年4月に成立したが、1月1日まで法の遡及を行っている)という“国内法”で「台湾人の生命、財産、基本的人権を守る」と謳った。
この法律は、米台両国間の条約や協定ではない。あくまでも米国の“国内法”である。それでいて、米国が一方的に「台湾人の生命、財産、基本的人権を守る」という。これは、事実上、台湾は米国の準州(グアムやサイパン〈北マリアナ諸島自治連邦区〉等)に相当すると考えられよう。この事実を知らずして、米台関係は語れない。
台湾に米軍を駐在
実は、1979年の米中国交樹立以降、米国は台湾に自国軍人を駐在させていなかった。ところが、2005年、中国は「反国家分裂法」を制定し、法律的に「台湾独立」を牽制した(元来、「中華民国体制からの独立」を「台湾独立」と称した)。そのためだろうが、同年、ブッシュ・ジュニア政権は台湾に制服組を派遣し、駐在させた。この件は、近年まで公表されていない。
また、米陸軍精鋭部隊「エクセレンス」は、数十年来、台湾陸軍と共に軍事訓練を行ってきた。中国軍の奇襲攻撃に備えるためである。この件に関しても、近年、ようやく公表された。
2018年6月、台北市の米国在台協会(AIT)の新庁舎が落成した。総工費は2億5500万ドル(約280億円)である。その建設には、台湾人は一切関わらず、秘密裡に完成した。新庁舎には、すでに在台米軍が駐屯しているが、最大4000人が駐留可能だと言われる。