なぜ福島県は韓国に抗議しなかったのか|渡辺康平

なぜ福島県は韓国に抗議しなかったのか|渡辺康平

「原発事故と福島」は情報戦である。「正しい情報を発信すればわかってくれる」という相手の善意を基本とした風評対策では、中国や韓国の悪意あるプロパガンダには太刀打ちできない。国と県が連携して、相手国内において積極的なロビー活動やPR活動を展開すべきである。


最後にこれからの風評・風化対策について述べていきたい。

現在、福島県産食品の輸入規制をしている国・地域として広い品目で規制しているのが、台湾・中国・香港・マカオ、一部を輸入停止している国がアメリカ・韓国である。

これまで福島県の風評・風化対策については、平成28年度から令和2年度まで、ソフト・ハード合わせて611億円以上の予算が執行されている。これらはハードでは大規模施設や復興公園などの建設と整備、ソフトではテレビ広告やポスターなどに使われてきた。

従来の風評・風化対策についてその効果を検証する必要性は当然のことであるが、実は中国や韓国などの諸外国で風評払拭のロビー活動やPR活動を行う予算は県にはなかった。

韓国が原発事故は日本の弱点との観点から、日本の放射能問題を世界に知らせる効果があると認識しているように、中国も同様の認識で日本叩きの道具としている。

最近では今年4月に中国外務省は東京電力福島第一原発の処理水海洋放出に「極めて無責任」と非難してきたばかりだ。

既に「原発事故と福島」は情報戦である。「正しい情報を発信すればわかってくれる」という相手の善意を基本とした風評対策では、中国や韓国の悪意あるプロパガンダには太刀打ちできない。国と県が連携して、相手国内において積極的なロビー活動やPR活動を展開すべきである。

そして、台湾については特に力を入れる必要がある。台湾では平成30年に福島県など日本の5県産食品の禁輸継続について賛否を問う国民投票があり、賛成多数で「禁輸継続」となった。投票から2年間は投票結果と異なる政策を実施してはならないと定められていたため、台湾は今でも5県産食品の禁輸が継続している。

輸入解禁を強く求めてきた。民進党の蔡英文政権は解禁に前向きだったが、野党・国民党が食品問題に敏感な市民の不安をあおり、国民投票を請求した。

国民投票の2年間の縛りは終了している。台湾における世論の理解増進のために、積極的なPR活動が必要であることは言うまでもない。

今こそ福島県が主体的に行動すべき時期に来ている。

渡辺康平

https://hanada-plus.jp/articles/186

福島県議会議員。1985年、福島県須賀川市生まれ。高校卒業後、航空自衛隊に入隊。2012年、航空自衛隊退官後、経済評論家秘書、国会議員秘書、福島県議会議員秘書を経て、2015年8月、須賀川市議会議員に初当選。2019年、福島県議会議員選挙で初当選。

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