なぜ、徴用工問題と関係して両国に大きな誤解が生じ、またこれが簡単に拭えないのか。西岡教授は、本書の後書きでこの問題を次のように整理した。
(1) まず、日本国内の反日メディア、学者、運動家が左右派権力闘争の一環として虚言で日本の過去史を攻撃する。
(2) 次に、韓国の反日左派がこれに巻き込まれ、便乗して日本の過去を攻撃し始めた。
(3) 日本の外交当局は、韓国の攻撃に対しては外交上の問題を挙げて強く反論しないので、虚言は更に拡散される。
(4) 最後に、韓日の反日左派は共同で国連等国際社会でも日本を攻撃し、事態を初めから収拾不可能にまでした。即ちこれが今回、韓国大法院が法理でも事実でも完全にデタラメな「徴用判決」を下し、韓日両国の国交を破綻状態まで至るようにした反日キャンペーン形成の一般的過程だ。慰安婦問題では最も明白にこの過程が進行された。北朝鮮あるいは中国に唆されたようにも見える一部の反日左派日本人の煽動に韓国人がさらに乗せられて、かえって自国の国益を損なった、これを果たして今後も放置しなければならないのか。これを防ぐには、容易ではないが韓日両国の誰かが、いまこそ真実を語るべきである。徴用工問題では、特に真実の受容それ自体が問題の解決法案に他ならない。
「韓国を対等に見る『愛韓派』日本人が、韓日の歴史認識問題をどのように考えるのか、これを読めばよく分かるであろう。詳細に綴ったように、偽りに基づく反日キャンペーンを行う日本の『反日』学者や活動家は、韓国から『良心的な日本人』だと称賛される。どうか本書を読んで韓国の分別ある読者が、果たして誰が韓日友好の敵なのかを深く考えて下されば本当に嬉しい」(「韓国の読者へ」、西岡力教授) (翻訳/黄哲秀)
著者略歴
2009年、邊熙宰(ビョン・ヒジェ)現メディアウォッチ代表顧問によって創刊された韓国唯一無二の自由・保守系メディア批評紙。創刊から現在まで主流左派メディアの偏向誤謬を指摘する記事、論文を掲載してきた。 週刊誌としてスタートした後、月刊誌を経て、現在はインターネットでのみ発行。 「邊熙宰の時事爆撃」というYouTubeチャンネルも運営している。 外信との関係においては、特に10年前から反日報道問題を指摘し、慰安婦、徴用等とそれに関連する日本側の立場をそのまま紹介することに注力しており、これも韓国のマスコミの中で実質的に唯一である。