2018年10月、韓国大法院は、いわゆる「強制徴用賠償判決」という歴史的判決において、新日本住金に賠償を命じた。「徴用判決」といえば当然、原告たちは日帝時代当時徴用工であるべきだ。しかし、原告の中で徴用工は一人もいなかった。『捏造された徴用工無き徴用工問題』韓国語版(原題:『でっちあげの徴用工問題』)は、このように日帝時代の徴用工問題に関する、我々が基本的に誤って認識している事実関係を正しながら始まる。
原著者である西岡力モラロジー研究所及び麗澤大学教授は、1977年から日韓両国を往来しながら各種交流活動を行い、普通の韓国人よりも韓国語を流暢に話す「親韓派」を越えた「愛韓派」として知られる人物だ。しかし遺憾にも現在、日韓両国は慰安婦問題を越え、徴用工問題によって極限対峙といっていいほど、両国の国民感情はこれ以上悪くなりようがない程である。故に西岡氏は、一旦自身の「第二の故郷の人々」に徴用問題に関して自身の「第一の故郷の人々」の立場からありのまま率直に伝える作業を決心した。真実によって、二つの故郷の人々が和解できるというのが善を信じる彼の信念である。こうして世に出た作品が、今回の『捏造された徴用工無き徴用工問題』韓国語版(原題:『でっちあげの徴用工問題』)である。
『捏造された徴用工無き徴用工問題』表紙
12月24日(木)に出版。https://www.zenkyokyo.net/assert/1824
韓国の立場があるように、日本にも日本の立場がある
書籍は冒頭から、韓国の「徴用判決」内容を項目ごとに批判する。判決に対する批判だが、専門的な内容は極力避けており誰でも分かり易く読める。
「徴用判決」は何よりもまず国際違反だ。実際、徴用問題は、両国間では日韓国交の原点ともいうべき1965年「韓日基本条約及び請求権協定」(以下、日韓協定)で公式的に終結している。韓国が徴用問題を自ら解決できず再度日本に不当な提起をしようというのは、事実上両国の国交破棄を要求することと同じだという点を韓国人は認識すべきだと、西岡教授は淡々と語る。この問題は絶対に、日本の特定政権が受容するとか、あるいは受容できないといった類の問題ではないのである。