第二の吉田調書事件か またも罪なき被災者を踏みにじる朝日新聞|赤津今朝二

第二の吉田調書事件か またも罪なき被災者を踏みにじる朝日新聞|赤津今朝二

またか……。朝日新聞は吉田調書事件の反省など一切していない!内輪ウケありきでやめられない捏造体質。いったい何度被災地を貶め、風評被害をまき散らし、復興の邪魔をすれば気が済むのか。朝日「スクープ」報道への重大疑問。


あらためて、

・特定の団体、個人または他施設への批判・誹謗中傷等  
・教育的観点から不適切と思われる表現  
・個人情報

について配慮することは、公的な立場にあれば当たり前に求められてくる初歩的な態度だ。とりわけ日常的に多くの人に事実を伝える報道機関には特に厳しく求められてきたはずのものだが、朝日新聞では、そうした公的な立場から情報発信をする際の配慮がそんなに物珍しいものだったのだろうか。

その配慮の無さが、吉田調書問題等につながり、朝日新聞のみならず報道業界全体へのフクイチ事故後の信頼失墜につながってきたのではないか。

語り部から発せられる批判・誹謗中傷が差別発言となれば、当然、その発言に施設の責任が求められる。その時はまた嬉々として朝日新聞が読者を煽り立てる記事を書き、購読料を稼ぎ、内輪ウケありきの記事を書いた記者は自らの手柄として今後の出世競争の糧にするのだろうか。

いずれにせよ、特に原子力災害は実際の被害とは無関係に、個人の政治的主張や立ち位置・価値観によって文字通り“見えている景色が全く違う”繊細で複雑なものである。そうした中で“ただ事実を事実として示し、イデオロギーありきの偏向に染まらせず、中立を保つ”ために慎重であることがいかに大切で難しいことかを、しっかりと考える必要があるだろう。

そもそも、偉そうに“反省を伝承できていない”などと問題視している朝日新聞は、原発事故後に先述の“吉田調書問題”などで現場を踏み荒らして復興を妨害ばかりしてきた“実績”がある。果たして、伝承館の在り方を批判できるような立場にあるのか。

たとえばこの記事を絶賛し、“何のための伝承館なのか”などと批判していた三浦記者について少し調べてみたところ、これまでも度々“風評被害の拡大に加担してきたのではないか”という指摘がなされている。
(例えば、次のようなまとめサイトがある。
https://togetter.com/li/1458521

昨年の台風19号の際に福島で流された大型土のうについて、環境への放射線影響などあり得ないにも関わらず執拗にその危険性をほのめかす主観的な報道を続け、それが韓国で新たな風評被害の発生源となったと指摘されている。これが事実であれば、朝日新聞が海外へ風評を輸出したと言っても過言ではない。

また、三浦記者は8月には福島での土壌実証実験に対し、科学的根拠や現場の農家・地域住民の多大な苦労を示すこともなく、“安全と安心は違う“などと主観的かつ答えありきの主張を繰り広げ、批判の声があがっていた。
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1291853665485991938

汚染が起こるかどうかの検証すら許さないというのは、実証主義に反した”ケガレ“扱いであり、風評被害、ひいては福島差別の固定化への加担そのものである。これは朝日新聞記者による明らかな復興の妨害ではないのか。”福島で取材している僕が個人的な意見を言わせてもらえるなら”などと最近転勤してきただけの立場でありながら当事者性全開で雄弁に語っているが、この記者に対する反応はこれで確認できるようにほぼ批判一色である。
https://twitter.com/search?q=https%3A%2F%2Ftwitter.com%2Fmiura_hideyuki%2Fstatus%2F1291853665485991938

他にも、次の記事では、複数の地元民と思しき人たちが三浦記者に苦しめられている様子も見て取れた。三浦記者が起こしてきた問題は、思った以上に深刻なようだ。
http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/

これらの批判の声こそが三浦記者よりはるかに当事者性が高いのではないかと思える。現場の声なき声を拾うジャーナリズムはどこへ行ったのか。そもそも、自分達が朝日新聞関係者として風評と差別の拡散に加担しておきながら、その後何らかの対応や責任を取ろうとしたのか。

朝日新聞の加害者責任

朝日新聞記者認証付きアカウントからの発信である以上、記者の発言は朝日新聞内の見解だとある程度見做されるのも避けられない。所属組織認証という強い影響力をもって発信していながら、その恩恵だけは得て組織には全く責任が及ばないなどという話にはならないからだ。ましてや特定地域への差別に加担しかねない問題であれば尚更である。それが判らないからこそ、公共施設における語り部の仕事と責任も理解できないのかも知れないが。

この件では、別の朝日新聞関係者も同様の発言をしている。朝日新聞は、どうしても福島を“ケガレ”の地としたまま復興を許さず、風評被害を固定化させたいのであろうか。
https://twitter.com/aokiaoki1111/status/1291893864513433600

こちらはさらに深刻で、そうした朝日新聞関係者の発言に騙された被害者が、まったくのデタラメを広めてしまっている現場も確認できた。“日常生活に放射性物質がどんどん入ってくる”“前代未聞の官製公害が絶対起きます”とまで断言されてしまっているのだ。当然ながら、これらの発言は悪質な流言飛語と言って差支えが無いものだ。
https://twitter.com/katepanda2/status/1291974114081611776

これらの実例は“フクイチ事故から10年近く経っても風評被害が朝日新聞によって現行犯的に発生している現場”といえる。

未だにコレではこの10年間、まして震災直後に朝日新聞によって広められた風評被害は潜在・顕在合わせどれだけ膨大になるのか。今もなお続くフクイチ事故風評被害の責任の一端が朝日新聞にあることは明白であろう。本来ならば、朝日新聞社が加害者責任として県や国の風評対策予算を一部負担しなければならないのが筋ではないのか。

「朝日新聞不祥事伝承館」を

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