今回の伝承館報道は、まさに朝日新聞が過去に起こしてきた“KY珊瑚事件” “新党日本虚偽メモ問題”“吉田調書捏造”と全く同じ、内輪ウケありきの“スクープ”欲しさの功名心で自分達で問題を自作自演的に創作してきた構図の繰り返しであると言える。自分達の過ちを反省せず、伝承もしてこなかったのはむしろ朝日新聞側であろう。
朝日新聞は今回も火のないところに問題を放火してまで他人にだけ責任を要求している場合ではなく、得意の不動産業を活かしてでも自分達こそが”朝日新聞不祥事伝承館“あたりを建てる必要があったのではないか。
もっとも。仮に今回、朝日新聞が要求したように語り部の政治的発言がより自由にまかり通るようになったと仮定したとしても、だ。
これまで散々復興の邪魔をしたり、先の三浦記者のように“安全より安心”などと関係者の成果や暮らしを平気で踏みにじってきた連中は、まさか自分達に都合の良い“国や東電への恨み節”ばかりが被災地から聞こえてくるなどとは思わないほうがいい。
福島県民にはもとより、和を乱しかねない内心を公の場で雄弁に語ることを“恥”と考える人も少なくない。しかし、その口を一度開かせれば批判が国や東電ばかりに向かうと信じて疑わないならば、それこそ当事者を碌に取材もせず、都合良く利用することしか考えて来なかったのだと言えるだろう。
朝日新聞をはじめ新聞記者たちに言いたい。たとえ口に出さずとも、あなた方がフクイチ事故後にしてきた所業の数々や安っぽい功名心・被災地住民への内なる蔑視を見透かしている人間は、あなた方が思うほど少なくない、と。
著者略歴
福島県浜通り出身、在住。企業経営に関わる傍ら、フクイチ原発事故後の郷里がマスコミ、活動家の食い物にされてきた地元の現実に危機を感じ、筆をとった。日本の美しい伝統や文化、古美術を訪ね歩くのが趣味。座右の銘は「陰徳あれば陽報あり」