第二の吉田調書事件か またも罪なき被災者を踏みにじる朝日新聞|赤津今朝二

第二の吉田調書事件か またも罪なき被災者を踏みにじる朝日新聞|赤津今朝二

またか……。朝日新聞は吉田調書事件の反省など一切していない!内輪ウケありきでやめられない捏造体質。いったい何度被災地を貶め、風評被害をまき散らし、復興の邪魔をすれば気が済むのか。朝日「スクープ」報道への重大疑問。


また、この件では福島の地元局テレビユー福島までもが朝日新聞に追随するような報道を行っていた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/bb4c4ab8536a65a36e87a97a1142b6e083103f69?fbclid=IwAR3Og9HI3SN2_8poewZdS-aYQpFInfk_qPSORU6Y45kW3NlhTTo-Hs1mnvk

ところが、この「スクープ」記事には、本来は書かれるべき重大な事実が書かれていない。肝心の部分が記事から抜け落ちているのは単純なミスなのか、あるいは悪意ある隠蔽なのか。

朝日が好む「原発推進を企む東電・政権」という陰謀論

まず、今回の記事は公共施設で雇われる語り部についての問題だ。

語り部は学者とか学校の教師、あるいは報道関係者ではない地元の一般人、いわば素人である。そして、その多くが私と同年代、あるいはそれ以上の高齢者だ。経験を教訓と出来るよう人前で話したいという意志と矜持をもち、しかしその経験が多くはない被災者の話を公に聞かせるものにする。言葉の選び方や構成など聴衆が聴くに堪え得る水準の説話をするには一定の訓練が必要だ。

まして“語り部”といっても多様な人がいて、個人の記憶や発言には事実と異なっており不正確なときもある。なかには不要なオマケ精神を発揮して、話を必要以上に“盛る”、聴衆にウケのよい話、例えば泣けるような話、激しく誰か・何かを糾弾するような話ばかりを過度に強調して反復するようになっていくこともあるかもしれない。これは“語り部”という伝達手段を用いる以上、常につきまとう問題でもある。無論、個人的に思ったこと、考えたことを、友人・知人の前で語る分にはそれは自由にすればよいことだろう。

一方で、公共施設に所属する以上は、その発言内容の正確性や中立・公平性にはある程度施設側の責任が及ぶ。施設は特定の被災者に“語り部”としての活躍の場を与え、他の被災者には与えられない権威付けをする役割を果たしてしまう。ただでさえ傷ついてきた被災者の中に、強者の被災者=“語り部”と弱者の被災者=語る場を持たぬものとの新たな分断を作り上げてしまう可能性に常に配慮しなければならない。どこかの新聞じゃあるまいし、「発言は個人の見解であって、所属組織を代表するものではありません」などと銘打っておけばどんな放言も無責任に免責されるわけではないのである。責任を問われる以上、組織が不要な問題発生を避けるための事前予防策を講じ、具体的な指示や要望を出すのは当然の話だ。

だからと言って、公共施設側が語り部に言論弾圧ともいえる過度な無理を要求して良いのか? それは当然許されないことだ。そして、朝日新聞はそれを指摘した“スクープ”を書いたから素晴らしい!
・・・などと、この記事の無料部分を読んだ読者、あるいは見出ししか見ないで脊椎反射した聴衆はそう思い絶賛したのだろうか。

“吉田調書事件“と同じ構図

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