災害から命を守るために憲法改正が必要だ|和田政宗

災害から命を守るために憲法改正が必要だ|和田政宗

私は、東日本大震災の津波で救えなかった命への後悔から、その後、大学院で津波避難についての修士論文をまとめた。国会議員に立候補したのも震災復興を成し遂げるという意志からであった。だが、災害などの緊急時に対応できる憲法に現行憲法はなっていない――。


東日本大震災と能登半島地震

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来週3月11日で東日本大震災から13年を迎える。今年は1月1日に能登半島地震が発生し、千葉県東方沖では群発地震が続いている。改めて災害への備えを強化するとともに、未曽有の災害に対応するために、緊急事態条項を創設する憲法改正を行わなくてはならない。

能登半島地震は、死者241人、行方不明7人という大災害となった。石川県珠洲市や輪島市をはじめ建物が壊滅的な被害を受け、津波で亡くなった方々もいる。すなわち、阪神・淡路大震災と東日本大震災が複合したような被害となった。

建物の被害は「キラーパルス」という地震動によって起きたとみられる。周期が1秒から2秒の地震動は、低層の建物に大きな被害を及ぼしやすく、「キラーパルス」と呼ばれる。過去には、阪神・淡路大震災や新潟県中越地震において、多くの建物の倒壊を引き起こした。

東日本大震災では、地震の震度の強さに比べると大きな被害を受けた建物は比較的少なかった。東日本大震災の地震動周期は1秒以下の周期が主で、「キラーパルス」が少なかったからだとされている。

一方、東日本大震災では周期が数秒以上の長周期地震動が発生し、東京や大阪などの高層ビルで大きな揺れやエレベーターが停止するなどの影響が出た。大阪府咲洲庁舎では約10分間の揺れが発生し、最上階の52階では片側で最大1mを越える揺れとなった。エレベーターは全32基が停止し、乗っていた方々が閉じ込められた。

こうした地震の揺れから身を守るためには、まず、建物が昭和56(1981)年6月以降の新耐震基準を満たしているかどうかを確認することが重要である。それ以前の旧耐震基準は震度5強程度で建物が倒壊しないという基準であり、震度6~7についての基準がなかった。新耐震基準では震度6~7の地震でも倒壊しないことが定められている。

この新耐震基準を満たしていない場合は、耐震補強をしたほうが良い。

84人が亡くなった大川小学校の悲劇

さらに、家具などの転倒防止も重要である。家具の固定や突っ張り棒などで支える方法があり、これらは簡単な作業でできる。なお、東日本大震災時に我が家では家具や家電製品は固定しており転倒はなかったが、近隣の住居では固定していなかったために冷蔵庫が転れ、頭から血を流している人もいた。

そして、確率の高い地震は確実に発生することを忘れてはならない。起きて欲しくないが確実に起きる。これは、私が平成15年(2003年)十勝沖地震(マグニチュード8)を自ら経験したこともあり、口を酸っぱくして言っていることである。

マグニチュード8~9クラスの南海トラフ地震の発生確率は、20年以内に60%程度、30年以内に70%~80%。マグニチュード7クラスの首都直下地震は今後30年以内に70%の発生確率である。これらは当時の十勝沖地震とほぼ同等の発生確率で、いつ起きてもおかしくない状況なのである。

特に南海トラフ地震では大きな津波の発生が懸念されている。和歌山県串本町では地震発生から約3分で最大17mの津波が到達する恐れがある。迅速かつ懸命に逃げなければ命は危険に陥る。沿岸や川の河口付近にいる方は、地震が発生したら速やかに逃げて欲しい。津波への備えは、早く逃げること、そしてどこに逃げるかを想定しておくことが重要である。

東日本大震災の津波では、宮城県石巻市の大川小学校で児童と教職員84人が亡くなった。先週、私が筆頭理事を務める参院東日本大震災復興特別委員会で大川小学校に伺い、大川伝承の会の佐藤敏郎代表からお話を聞いた。

佐藤さんは、当時6年生だった娘の真衣さんを大川小を襲った津波で失った。佐藤さんは、徹底した原因究明を行わない宮城県や石巻市に対し他の遺族とともに裁判を起こし、判決では学校の事前防災の不備が認定された。大川小の災害対応マニュアルでは、小学校に危険が迫った時の避難場所を「近隣の空き地・公園等」としており、具体的な場所を指定していなかった。

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