【橋下徹研究⑪】「副市長案件」弁明の崩壊と橋下市長関与の証明|山口敬之【WEB連載第11回】

【橋下徹研究⑪】「副市長案件」弁明の崩壊と橋下市長関与の証明|山口敬之【WEB連載第11回】

6月20日以降、ツイートがない橋下徹氏。ほとぼりが冷めるまで待つ方針かもしれないが、いつまで「副市長案件」で逃げ切るつもりなのだろうか。「副市長案件」「遊休地だった」と抗弁する橋下氏の弁明には何の説得力もないどころか、事実を歪曲し隠蔽する悪意がはっきりと浮き彫りになっている――。【※サムネイルは『実行力 結果を出す「仕組み」の作りかた』 (PHP新書)】


大阪市環境局エネルギー政策課長

咲洲のメガソーラー事業者との関わりにおきましては、咲洲メガソーラーにかかる市有地賃貸借契約の事業者入札時においては、すでに「咲洲地区スマートコミュニティ実証事業」は実施中でございまして、この実証実験の中で咲洲メガソーラーの電力を活用することはございませんでした。

「関西イノベーション国際戦略総合特区」で大阪市がアピールしたのは、
「分散型エネルギー供給拠点と融合EMS(エネルギーマネジメントシステム)」であって、

・複数の施設を対象としたエネルギーマネジメントシステムの構築と
・自立・分散型発電システム、蓄電・蓄熱システム導入・開発だった。

具体的には、咲洲地区内の施設が保有する電源、熱源の共有化とエネルギー需給の制御により、地域のエネルギー消費量の最少化やピークカットを行うエネルギーマネジメントシステムの構築を図る実証実験だった。

しかし、現在、上海電力が発電を行っている土地だけは、こうした先進的な実証実験には全く参画しなかったのである。

「やる」と言って国に報告し補助金まで受給した事業を「さしたる理由もなく」変更することなど、普通に考えれば絶対にあり得ないことだ。

この危険かつ強引な決断をしたのは一体だれか。橋下徹氏や松井市長は、これも「副市長案件」として当時の田中清剛副市長が決めたと抗弁するのだろうか。

そしてこんなに重要な計画のあった土地を「遊休地だった」と抗弁する橋下徹氏の弁明には何の説得力もないどころか、事実を歪曲し隠蔽する悪意がはっきりと浮き彫りになっている。

(つづく)

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月刊『Hanada』2022年8月号

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総理

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