ウクライナが教えてくれた日本存続の危機
しかし、尖閣諸島が中国の手に落ちると、日本にとっても台湾にとっても大きな脅威になる。中国は直ちに尖閣諸島を軍事基地化し、台湾への攻撃能力を高めながら、いつでもシーレーンを封鎖する姿勢を見せて、日本に対してより強硬な態度で臨んでくるだろう。
バイデンのアメリカはどう反応するか。
最悪の場合、あくまでも中国と戦いたくないアメリカは、中国に対して「シーレーンの妨害はしないこと」などを条件として提示し、第二列島線、または第三列島線に退却していく可能性がある。これは、アメリカの世界覇権が終わることを意味する。
日本は国内の米軍基地の保持に必死になるだろうが、中国は親中政治家たちに命令し、日米安保条約の解消に向けて圧力をかけてくるだろう。
一方、アメリカは、日本に独自に核武装するか、アメリカの核兵器を共同保有する「ニュークリア・シェアリング」を勧め、日本の自存自衛を促しながら自らの軍事的コミットメントをグレードダウンしていくことが予想される。
こうなれば、日本はいよいよ腹を決めて台湾と運命共同体の防衛戦争を決意するか、判断を遅らせるうちに中国から軍事侵攻を受け、ウクライナと同じ運命を辿ることになる。
誰にも頼らず、自国は自分で守る。その決意を示せず、自らの安全を外国に委ねる国の末路をウクライナが教えてくれている。日本存続の危機は、もう目の前に迫っている。