福山哲郎よ、利いた風な口を叩くな|九段靖之介

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文在寅と福山哲郎。この二人は心性においてなにやら似通っている。口を拭って反省の言葉もなく、菅義偉政権の苦渋の処理水処分について、利いた風な批判を言う資格があるのか。たまには胸に手を当てて自省してみよ。


文在寅と福山哲郎

お笑いは日本国内にもある。立憲民主党の幹事長・福山哲郎が言う。

「国民の理解も進んでいない。風評対策の具体策もない。そんな状況で海洋放出を決めたことは非常に遺憾だ」  

同じ立憲民主党の震災復興部会長・金子恵美が言う。

「海洋放出と決めた段階で風評被害は広がる」  

ちょっと待ってくれ。立憲民主党の最高顧問は菅直人だ。この菅直人が首相のときに福島第一原発の事故が発生した。このとき菅直人は生半可な知識を振り回し、現場の事故対応を混乱させた。  

菅直人は東工大卒とはいえ在学中は学生運動に血道を上げ、核物理学とはほとんど関係ない。将来は弁理士を目指した。  

繰り返す。福島原発事故の対応を混乱させたのは旧民主党政権で、その党首は現立憲民主党最高顧問・菅直人その人だ。  

処理水の処分問題は、このときに発生している。そして福山哲郎よ、お主はそのとき菅直人政権の内閣官房副長官だった。事故対応を混乱させ、処理水問題を発生させた一半の責任を、お主は負う立場にある。  

なのに、口を拭って反省の言葉もなく、菅義偉政権の苦渋の処理水処分について、利いた風な批判を言う資格があるのか。たまには胸に手を当てて自省してみよ。  

文在寅と福山哲郎。この二人は心性においてなにやら似通っている、と思うのは小欄だけではあるまい。(初出:月刊『Hanada』2021年6月号)

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