今回入手したデータから見えることの一つは、中国共産党の支部は、あらゆる業種、業態の企業や団体に存在するということだ。
企業などの職場ごとに一つの支部が作られているのだが、目につくのは幼稚園や小、中、高と学校に多数の中国共産党員が送り込まれていることである。一つの学校に30人、40人の中国共産党員がいるということは、教職員のほとんどが中国共産党員だということではないか。幼い頃からの共産主義教育に中国共産党が力を入れていることが、このデータからも読み取れる。
また、大学生や大学院生にも大勢の党員がいるのがわかる。特に中国共産党が力を入れているとみられるのは、材料工学分野だ。「131材料科学部修士学生会支部」から始まって「材料党支部」や「材料博士第一支部」、「材料大学院支部」まで「材料」と名のつく支部に1083名の中国共産党員が在籍している。これらの事実は、中国共産党が党員を計画的に教育や産業分野に重点的に送り込んでいることの証だろう。
ファイザーやアストラゼネカにも
外国企業では、ファイザーに69名、アストラゼネカに54名の中国共産党員が属している。このうちファイザーの三十名、アストラゼネガの三十九名の名簿には住所や党員番号の記載がない。これらの情報が伏せられている人物は諜報部員と思われる。
その他、エアバスに79名が、ボーイングには379名の中国共産党員が所属しており、ほぼ全てで住所や党員番号の記載がない。
また、マスクで話題となった3Mに175名、IBMに798人が所属している。IBMは2014年に、中国政府によって中国国内の銀行に対してサーバー等のIBM製品の使用を禁止されたり、2022年までに公的機関からの外国製IT製品を排除するとの中国政府の方針が出されるなど苦境に喘いでいるが、それでもなお798名もの党員が働いている。中国共産党にとって、やはり注視すべき企業なのだろう。