一方、日系企業に属する中国共産党員は、8割が製造業である。トヨタ、富士通、日立、リコー、パナソニックなど、日本を代表する大企業を含め、約300企業におよそ5000人の党員が活動していることがわかる。
三菱電機(118名)や三菱商事(35名)など三菱グループだけでも相当数の党員がいるが、特段に多いのが三菱UFJ銀行である。
三菱UFJ銀行第一支部、第二支部、第三支部合わせて党員96名が在籍。ちなみに、これらの党員は全員漢民族である。 三菱UFJ銀行の場合、深や武漢など15都市に店を構えているが、上海だけでも100名近い党員がいることがわかる。第一支部、第二支部、第三支部とは上海本店、上海分行、上海自貿試験区出張所に対応していると思われる。これだけの数の中国共産党員がいるなかで、企業機密が守れるのかと考えたときに肌寒さを覚えるのは筆者だけだろうか。
人材派遣会社に8354人が登録
特に警戒を要するのは、人材派遣会社だろう。 「中国共産党上海市対外服務有限公司」と名のついた共産党支部だけでも、8354人もの共産党員が登録されている。「上海市対外服務有限公司」(SFSC:Shanghai Foreign Service Co., Ltd.)は1984年に資本金1億200万元(約17億円)で上海市に設立、上海市内に十拠点を構え、中国全土31省に110の提携先をもつ、創業37年の外国企業専門の人材派遣会社である。
株主は上海市国資委などが出資している万博集団で、完全な国有企業である。最近の売上は公表されていないようだが、2007年の売上は1725億円。
ホームページを見ると、トヨタ、日産、マツダ、三菱商事、伊藤忠、丸紅、住友、リコー、コマツ、日立、富士通のロゴが並んでいる。8354人のうち551人は「日本商事部」という委員会支部に属しており、これらの人材は間違いなく日系企業に派遣されていると推測される。
(https://img.efesco.com/mix/product/jpindex.jsp)