共産党内部の犯行か
2020年末に、中国共産党員の名簿が漏洩したという衝撃の事実が発覚した。いままで中国共産党員の名簿は極秘とされ、一般の目に触れることは決してなかった。CIAをはじめとする西側諸国の諜報機関が何としても手に入れたいであろう名簿が、ついに漏洩したのである。
中国共産党員名簿は各省ごとにデータベース化されており、完全にオフラインの環境下に置かれ、厳重に管理されている。今回、そのデータベースに直接アクセスできるおそらく内部の人間によって初めて持ち出され、西側諸国の知るところとなった。このことは、中国共産党員のなかにも習近平の独裁政治に対する抵抗勢力が芽生えていることの証でもある。
2020年12月30日には、日本経済新聞が中国共産党員の名簿とされる200万人弱のデータを「対中政策に関する列国議会連盟」(IPAC)が各国と共有していることがわかったと報じた。 IPAC(Inter-Parliamentary Alli-ance on China)とは、中国と民主主義諸国間の交渉のあり方の改革を目的に、民主主義諸国の国会議員らによって設立された国際議員連盟で、1989年の天安門事件発生の日に合わせ、2020年6月4日に発足した。
参加しているのは、米国、英国、豪州、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、チェコ、スイス、欧州議会、リトアニア、ベルギー、オランダ、ニュージーランド、デンマーク、ノルウェー、アイルランド、スウェーデン、ウガンダ、そして日本の19カ国。共同議長はイギリスの保守党の元党首であるイアン・ダンカン・スミスらが務めている。日本からの参加代表者は、自民党の中谷元元防衛大臣と国民民主党の山尾志桜里議員である。
IPACはその声明のなかで、中国に対して「国際ルールに基づく秩序の保護」「人権の擁護」「貿易の公正性の促進」「セキュリティの強化」「国家の完全性を保護する」ことを求めている。 (https://ipac.global#statement)
そのIPACが2020年12月12日に Twitter で、「中国共産党上海支部会員登録簿の漏洩したデータベースについての声明」を発表したのだ。
IPACの事務局長プルフォード氏は、「中国専門家は中国にある各国の政府組織や企業に中国共産党員が多くいることは知っていたが、この名簿は初めてそれを証明した」と話している(https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE233QV0T21C20A2000000/)。