また、キャリアは料金が振り込まれていないからといって勝手に口座を解約したりはしない。口座解約は、加入申請者の要請があってはじめて行われる。
SKTは検察とキム・ハンスが偽造した契約書の内容通り、無理矢理マレイ・カンパニーの法人カードの口座振替が設定された記録を送ろうとして、ハナカードで首根っこを掴まえられたのではないか。
画像ファイルで確認すると、操作の痕跡を見つけることができる
このように、SKTまで介入して契約書等を操作した情況が確認されると、私は法院側にSKT契約書保管サーバーを調査することが出来るように、押収捜索命令を申請した。SKT契約書保管サーバーにこの契約書が保存された時点が契約日の2012年6月22日ではなくその後であれば、この契約は100%操作されたものと言える。(※9)
事態がここまで来ると、私は法院に検察が2016年10月25日タブレットPCフォレンジック検査をする際、作成されたタブレットPC全体の内容を確認することができる画像ファイル(※10)を提出することを申請した。実際、検察のフォレンジック資料とその約1年後、国立科学捜査員からフォレンジックした資料との間には、カカオトークのチャットルーム400以上が消える等、明らかな操作の痕跡が発見された。
核心証拠を出さない検察の行動
法院は、公判検査で金旻晶検事に意見を求め、金検事は反対せず「法院が判断せよ」(※11)という回答をした。法院は検察に「画像ファイルを被告に閲覧、コピーせよ」と命令した。検察は、48時間以内に被告にこれを許可しなければならなかった。しかし、検察は何と2ヶ月間も不法に時間稼ぎをして、最終的には「画像ファイル5つ中、4つが消えて1つだけ残っている」という意見書を提出した。これは明らかな証拠隠滅だった。さらに、その過程で、画像ファイルの閲覧、コピーを事実上許可した金旻晶検事はなぜか突然、休職届を提出し、公判検事が張旭桓検事に変わった。
これに対して、被告人たちは検察の画像ファイルはもちろん、国立科学捜査院の画像ファイル、そしてタブレットPC本体を検証すべきという意見書を提出した。すると検察は、これら全ての証拠資料を閲覧、コピーできないという最終返答を送ってきた。この事件と関連し、我々に諮問をして下さっている金仁星前漢陽大コンピュータ工学科准教授は、「タブレットPCを争点に扱う事件で、検察がタブレットPCに関連する証拠を全く出さないというのは聞いたことがない」として、タブレットPC捜査の段階で非深刻な操作が行われたのではないかと強く疑っている。