文在寅政権では80年代、北朝鮮の路線に従う主体思想派学生運動のリーダーたちが大挙して政府や与党の中枢に入った。ところが、その革命家らがまた偽善者だった。
文在寅政権の初代大統領秘書室長任鍾は国会で主体思想派だった過去を反省し転向したのかと問われ、自分たちは恥ずかしい青春を生きてこなかったと開き直って、転向宣言を拒否した。
ところが、彼の娘は米国名門大学に留学中で、留学先でSNSに高級ブランドの服やバッグをとっかえひっかえ身にまとっている写真を上げていた。任は7月に文在寅大統領の外交安保特別補佐官に任命された。
任とともに統一部長官に任命された李仁栄は、やはり80年代任らと地下活動をともにした主体思想派の活動家だった。彼は国会公聴会で、学生時代、毎日、金日成と金正日の肖像写真に向かって礼をしていたのかと問われ、「記憶にない」という曖昧な答えをした。彼もまた明確な転向宣言をしていない。その李の息子は現在、スイスに留学中だ。
任や李とともに80年代、主体思想派の地下活動家として活動したのが、元忠清南道知事の安熙正だ。彼はいま、女性秘書への性暴力で有罪判決を受け、刑務所にいる。
「女性の人権重視」を謳いながら何度もセクハラ
50代である任、李、安らの上の世代の左翼にも偽善者が多い。2020年4月に、70代の老左翼政治家である呉巨敦釜山市長が部下女性職員に市長室でセクハラをしたことを告発され辞任し、現在も警察の取り調べを受けている。
7月には、韓国左派運動のゴッドファーザーと呼ばれていた60代の朴元淳ソウル市長が女性秘書へのセクハラで刑事告訴され自殺した。
文在寅政権は女性の人権を重視することを目玉公約にして、若年層の女性の圧倒的支持を集めてきた。過激なフェミニストが政権に入り、MeToo 運動でも被害女性の立場に立って問題を解決せよと、繰り返し強調してきた。
特に、朴ソウル市長は女性の人権弁護士として世に出た人物だった。つまり、文在寅政権下で、ソウル市長、釜山市長、忠清南道知事の3人が現職にいるとき、性暴力やセクハラを犯し失職しているのだ。日本で言えば、東京と大阪と愛知の知事がセクハラで揃って辞めたようなものだ。偶然とは言えない。やはり、韓国左翼の偽善がここに表れていると見るべきだ。