世にもおそろしい、元首相による役人いじめ
極めつきは、「(電気事業法)106条と107条読んでみて。まず106条!」と、条文を声を出して読ませるという何とも屈辱的な行為を要求したのです。
担当課長は、条文を声を出して読み上げました。実に痛々しい場面だったのは言うまでもありません。元首相が課長に怒鳴り散らすのはどうかと思いますが、それが菅氏なのです。
菅氏は、「結局、逃げようとしているわけだ。簡単に言うと、第三者委員会が終わるのが今年の暮れまでかかるから、それまで何もやらないで待ってようと。そんなことが許されるはずがないじゃないか!」と吠えてマイクを置きました。
やれやれ、「役人吊し上げショー」はようやく終わったかと思いきや、さにあらず。
菅氏は「昨年までの関電についての監査の中身を出せますか?」と質問を再開。
役人側が「はい」と答えると、立憲民主党の川内博史衆院議員が突然、「いまのウソです! 関電の監査報告書は公表されてないです。全部まとめたものが公表されているんです。言葉を正確に使わないと」といきり立ちました。
役人側が「各社の監査をやっており、全体の報告書を作って公表しています」と言い直し、別の議員が「一社ごとのはないの?」と問い詰めると、「はい」とないことを認めざるを得ませんでした。
国民民主党の原口一博国対委員長は「電力会社はどこかにホールディングスがあって、横に連結してるんですか」と皮肉り、他の議員は嘲笑。もはやいじめです。
こんな細かい点まで訊いて役人を追い詰めるのが、いまの主要野党なのです。
あくまで関電一社の監査報告書を出すよう要求する議員側に対し、「持ち帰って検討します」と答えると、菅氏は「あんた方はなんでそんなに電力会社を守らなきゃいけないの? 国民のためにあるんじゃないの?」と言葉を吐き捨てました。
これを言うことが菅氏の最大の狙いだったに違いありません。
金品を受け取っていた関電側と経産省は一蓮托生、というイメージを植え付けようというわけです。印象操作そのものです。関電疑惑の解明ではなく、とにかく経産省のあらを探すのに必死になっているようでした。
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