「桜を見る会」をめぐる“集団リンチ”野党合同ヒアリング|坂井広志

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年が明けても、サクラ、サクラ、サクラ。そんな野党に対して、「桜はもう散った。早くこの問題から次の建設的な議論に移していかないといけない」と苦言を呈した二階幹事長。多くの国民もそう思っているのではないだろうか。野党の「おもちゃ」になっている「野党合同ヒアリング」とはいったいなんなのか。官僚を吊るし上げる「愚劣な政治ショー」の核心に迫る!


出席議員はたったの3名!菅直人元首相の独壇場

第3回 総理主催「桜を見る会」追及チーム 野党合同ヒアリング
ひとりだけ、カメラ目線!「カメラを見る会」代表理事、柚木道義

追及チームの初会合は11月12日ですが、このときの資料には「論点」ペーパーというものが含まれており、そこには命令調で内閣官房への要求として、「招待客名簿を出せ」「名簿を決めるプロセスを詳細に示せ」などと記されていました。

何様なんでしょうか。ひどいものです。
 
一事が万事こんな調子です。10月24日に国会内で行われた「関電疑惑 野党合同ヒアリング」は立憲民主党最高顧問、菅直人元首相の独壇場となりました。

関電疑惑とは言うまでもありませんが、関西電力の役員らが福井県高浜町の元助役から多額の金品を受領していた問題のことです。現在、関電が設置した第三者委員会で事実関係の調査や原因究明などを行っています。

関電は弁護士らで構成される第三者委に対し、12月下旬に報告書を取りまとめるよう希望していますが、越年しそうな気配です。
 
このヒアリングも午後4時にスタートし、出席した官僚は約20人。これに対し、開始時点でいた議員は野党統一会派の今井雅人衆院議員(無所属)らわずか3人でした。

官僚を呼びつけておいて3人しかいないとは失礼な話です。そんななか、経産省電力・ガス事業部の担当課長は野党側の追及を見越したかのように、スラスラとこう語り始めました。

「『経産省としてもっと主体的に調査すべきだ』という指摘が多くあったと理解しています。関電に自ら襟を正して徹底的に変えていく姿勢がなければ、何をやっても変わらない。資源エネルギー庁からいきなり『こうせえ』 『ああせえ』と言うよりは、彼らが自らの改革を位置づけていただくことが必要ではないか、というのが政府の現在のポジションでございます」

伝家の宝刀「イラ菅」炸裂!

この問題に深く立ち入るのは避けたい。そんな思惑が透けて見えますが、こんなことを堂々と言わせてしまうのは、野党が舐められている証左といえましょう。

さっそく今井氏は、ネチネチと反撃を開始しました。菅原氏が経産相を辞任したのは翌25日です。

「大臣の問題でゴタゴタしていると思いますが、この国会は12月9日に閉じてしまいます。国会が閉会する前に中間報告でも結構なので出していただかないと、立法府としてのチェック機能が果たせないんですよ。経産省は『中間報告出せ』とできないんですか」

これに対し、「どういったやり方がいいのか、これはいろいろあろうかなと思います」と担当課長。

今井氏は「『これはいろいろあろうかな』とはどういう意味ですか。国会のほうはこの問題をやらなくていいということですか」と、半ばキレ気味でした。

押し問答が続くなか、開始から約20分が過ぎた頃に登場したのは、原発ゼロに向けて闘志を燃やす菅氏でした。会場の緊張感は一気に高まりました。

マイクを握るなり、「第三者委員会という言い方をやめてください。弁護士さんを雇っているのは誰です? 関電が雇っているのが中心になったところが、なんで第三者委員会なんですか」と憮然とした表情で話し出しました。その後、ボルテージは上がるばかりです。

菅氏「(経産省に)調査する権限はあるんですか、ないんですか」

担当課長「あの……」

菅氏「あるんですか、ないんですか!」

担当課長「報告を求める権限はございます」

菅氏「立ち入り検査(の権限)は?」

担当課長「あります」

菅氏「あるでしょ。それでやればいいじゃない。なんでインチキな第三者機関の報告を待たなきゃいけないのか。経産省は調査しなきゃいけないんだ。電気事業法に基づいて、あなた方には調査権限がある。立ち入り権限がある」

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