福島の「風評被害」は第二の「慰安婦問題」になる|渡辺康平

福島の「風評被害」は第二の「慰安婦問題」になる|渡辺康平

ニッキー・ヘイリー前米国連大使は昨年6月19日、米国が国連人権理事会を離脱したと発表しました。ヘイリー前大使は、同理事会を「政治的偏見の掃きだめ」 「偽善と自己満足に満ちた組織が人権を物笑いの種にしている」と述べた、とBBCが報じています。私は、ヘイリー前大使の痛烈な国連人権理事会批判に強く賛同します。


「第二の慰安婦問題」に

震災と原発事故から、もうすぐ8年目を迎えます。いまだに続く福島県に対する放射線を巡る風評被害は、国内だけではなく、国外に拡散・定着しています。

これまでは「正しい情報を発信すれば必ず分かってくれる」という性善説に基づき、国と福島県は風評被害対策に取り組んできました。しかし、福島県の復興を認めない異常なイデオロギーに染まった人物や団体には、「正しい情報」は通用しません。むしろ、悪意を持って福島県を貶めるデマや差別的な情報を発信する人たちもいます。

こうした「福島の政治利用」は、8年前の原発事故直後から何ら変わっていません。私たちの故郷は、いまでも左翼団体に政治利用され続けています。

これからの風評被害対策では、正しい情報を発信するだけではなく、国と県を挙げてしっかりとした反論をすべきです。

この問題を放置すると、原発事故と福島を巡る問題が「第二の慰安婦問題」と同じ構造になってしまいます。これは福島県と福島県民だけの問題ではなく、日本と日本国民全体の問題なのです。


(『Hanada』2019年4月号より転載)

著者略歴

渡辺康平

https://hanada-plus.jp/articles/186

須賀川市議会議員。1985年、福島県須賀川市生まれ。高校卒業後、航空自衛隊に入隊。2012年、航空自衛隊退官後、経済評論家秘書、国会議員秘書、福島県議会議員秘書を経て、2015年8月、須賀川市議会議員に初当選。

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