G7各国が結束して中国に圧力を!
共同書簡の全てを紹介することはできないが、いまチベットで中国によって引き起こされている問題と、国際機関が様々な形でそれらを告発していることを訴えた。そしてG7各国が結束して次のことなどを実現できるよう中国に圧力をかけることを求めた。
・チベットの子供たちに対する強制的な植民地型寄宿学校の即時廃止
・ダライ・ラマの将来の生まれ変わりを含め、チベット仏教指導者の選出と任命に対する中国政府の干渉をすべてやめること
・占領地チベットにおけるすべての巨大開発プロジェクトを直ちに停止すること
・拘束されているすべてのチベット人を無条件で釈放すること
G7首脳宣言ではわずか一文のみだが
この共同書簡の発表にあたり、G7サミット開催国イタリアの、イタリア・チベット協会のクラウディオ・カルデッリ氏は次のように述べている。
「文化、環境、チベット社会を破壊する北京の政策は容赦なく続いています。家族から引き離され、植民地型の学校で洗脳される子供たちに対する組織的かつ残酷な行為、そして環境破壊、さらにデゲの巨大なカムトックダムによって水没する村全体の強制移住は、チベットのアイデンティティ、文化、環境を根絶することを目的とした長期的でよく考えられた計画の最新の例です。世界がこれらすべてに対抗して立ち上がる時が来たのです。」
また、チベット・ジャスティス・センターのグロリア・モントゴメリーはこう述べている。
「G7 諸国の大半の政府は、チベットにおける中国の極端な弾圧について繰り返し懸念を表明しています。今こそ、同じ考えを持つ指導者たちが、北京が無視できない共通のアプローチと政策を策定すべき時です。世界で最も著名な指導者たちの声が集まれば、世界で最も長く続いている不正の1つを平和的に解決する道を切り開くことができます。」
G7においてチベットについて議論されたかどうかはわからない。しかし、今年のG7首脳宣言でも「チベットの人権状況に引き続き懸念を抱いている」と、チベットの名前にも言及している文言が盛り込まれてはいる。チベットについてはわずかにこの一文のみであり、あまりにも物足りないが、G7首脳宣言全体としては昨年にも増して中国への具体的言及が増え、中国への批判の声が高まっていることは事実だ。