さて、この中国のチベット弾圧に対し、私も海外の仲間たちと共に批判の声を挙げている。6月13日から15日にかけてイタリア・プーリアで開かれたG7首脳会議にあわせて、世界中のチベット支援団体が協力して、G7は中国によるチベット弾圧に声をあげるべきだとの運動を展開した。5月20日には「中国のチベット弾圧に対する緊急行動」と題して、G7首脳に対する共同書簡を発表した。この共同書簡には、世界で146 を超えるチベット関連人権団体と 17,400 人を超えるチベット支援者が名前を連ねており、実は筆者もFree Tibet Fukuoka(フリー チベット 福岡)の代表として、この共同書簡における十数人の筆頭署名人の一人として名前を出している。世界中のチベット支援者が、G7を動かすことによって、中国の政策を少しでも変えるために一斉に運動を起こしたのだ。
共同書簡では次のように訴えた。
〝過去1年半の間だけでも、複数の国連人権機関がチベットにおける人権侵害の激化に警鐘を鳴らしてきた。その人権侵害には、植民地型寄宿学校制度、大規模な労働力移動プログラム、数百万人の農村チベット人の土地からの強制移住、チベットの環境保護活動家の投獄、チベット語教育の提供に対する規制強化などが含まれる。こうした政策を批判または抗議するチベット人、あるいはチベット人としてのアイデンティティを平和的に表明するチベット人は、中国政府による恣意的な拘禁、強制失踪、拷問、拘禁中の死に直面し続けている。〟
〝70年以上にわたって占領されてきたチベットにおける中国の統治は、20世紀の植民地主義の最後の名残の一つである。これは、100万人近くのチベットの子供たちを収容する植民地型の寄宿学校と幼稚園の広大で憂慮すべきシステムに象徴されている。これは、6歳から18歳までのチベットの子供たちの80%以上、そして少なくとも10万人の4歳と5歳の子供たちが、現在チベット全土の中国国営の寄宿学校と寄宿幼稚園に住んでいると推定される数に相当する。中国当局は、チベットの子供たちを意図的に家族や文化から引き離し、国営の寄宿学校に住まわせることで、チベットのアイデンティティを攻撃するために最も凶悪な植民地化の手段の一つを使用している。〟
G7首脳への共同書簡のトップ画像、Free Tibet Fukuokaのロゴも載っている
G7首脳への共同書簡の筆頭署名人と署名団体の一部、石井陽子の名前も筆頭署名人に記載されている